ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ

Re: >>>  ア   ク   セ   ス   ( No.87 )
日時: 2009/11/09 19:35
名前: RADELLE03 ◆X6s/dtSC5A (ID: QYM4d7FG)

ホテルを顔色一つ変えずに、舞は出て行った。



  こんなに甘いホテル……みんな無料で泊まれちゃうじゃん…


祐樹と合流するまで暇になった舞は、人ごみにまぎれるため近くの大型電気店に入った。


とたんにブルブルッと携帯が震えだしたため、大声を挙げそうになった。


  ……違反者の捕獲かな… ?
  でも私とは無縁のイベント……



  イベントじゃない…何考えてんだろ…私……


新着メールを読んでみたが、確かに姪華のものだった。


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何度もごめんよww
さて、八時を過ぎました!参加者狩りのスタート♪
でも、怖がらないでね !
こちらは酷く抵抗しなければ、手を出さずに
捕まえるだけですから……(´ω`*)

捕まえるっていっても、違反者だからそれなりの
覚悟ぐらいしていてね。
最初から逃げるなんて無謀なこと考える君が悪いのよ

ちなみに、私達には何百人と仲間がいるからね^ ^
逃げられるものなら逃げてみなさいな〜
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そのまま無言で舞はサイトを開いた。
そして、新たに追加された〝違反者リスト〟を開く。


何となく、胸騒ぎがしたのだ。


最後までページをスクロールしてみるが、自分の名前が載っていない事に安心した。

しかし、新たに〝殺人未遂〟という項目があった。



  未遂なんてする人…いるのかな…… ?

スクロールすると、何人か名前が載っていた。

  あれ……この名前見たことある…



  違う…



 「 私の……名前じゃん…。…うそ…嘘、嘘 !」


もう一度見るが、確かに 小野田舞 と書いてあった。

それも、殺人未遂の項目に。




  殺し損ねた…ってこと ?


  確かに、あのとき私は路地裏で撃った……




  弾が——そうだ…反動で位置がずれたのかもしれない……



 「 最悪だよ…もう…」

念のため、藁にすがる思いで下の文を読んでみた。


しかし、舞の希望は完全に失われた。
殺人未遂も、違反者扱いだったのだ。




  どうしよう…——。




死ぬ ? ここまで…—。



…祐樹……——。




すぐさま、祐樹に電話をかけた。

ワンコール...



ツーコール...



そのとき、腕を強く捕まれ後ろをさっと振り向く。




『 誰…… ?』


『 小野田舞…間違いない ! …捕まえに来てあげたよ。残念だったねーっ』



  携帯電話から音が聞こえる




  祐樹が電話に出たのだろうか ?





  知らない。そんなもの。




『 …何処に連れて行くの ?』

『 楽しくて、良い所…じゃないの ?』

『 ふざけないで……どうするの ?』


舞は震えた唇ではっきりと姪華に言った。


『 …別の場所まで連れてって、殺すんだよ。ただそれだけの事』






「 舞 」


ハッとして顔を上げると、ダルシーが何故かここにいた。




「 何でいるの  ? 」





「 話は後だよ。舞 」






気がつくと、私はダルシーにつられて店を飛び出していた。