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Re: >>>  ア   ク   セ   ス   ( No.96 )
日時: 2009/11/14 16:05
名前: RADELLE03 ◆X6s/dtSC5A (ID: QYM4d7FG)

 「 ……デパートにあるレストランでスパゲッティを食べたんです 」



この状況で言った言い訳はとんでもないものだった。
舞にとっては得策だったが、周りはどう受け止めたのだろうか。



  まずい…



  今度こそ——地雷を踏んだ気がする—…


真夏でもないのに、体から汗がにじんだ。
不穏な空気が漂う。



  この空気…何とかしてよ…

  まるで私がギャグ言ってスベッたみたいじゃん…

その通りだった。



 「 美味かったか ?」






 「 はい… ?」

 「 …いや、美味かったのかと聞いているんだ !」

 

  何で——

  

  何 ? 何なんだこの人…おかしいぞ



  ていうか…それを今聞くのか ? !



 「 ……はぃ…えっと……美味しかったです…」

無理やり、笑みを浮かべて答えたが、苦笑に見えるだろう。


警察官はそのまま『ふーん』と言っただけで、後ろにいるほかの警官に伝えた。



 「 あのー、連行するのはその子達二人だけです」
   

  敬語 ! ? !


了解、と他の警官達が答えた後に、再びその変な警察官は舞の方に振り返った。


そのまま、舞の耳元で囁いた。







 「 ダルシーによろしく」




 「 えっ !」



気がついたときには、警察官もいなく、人や報道陣はパトカーの方へと向かっていった。


困惑した表情の舞だけがその場に取り残されていた。




  ——そうだ、ダルシーに着いていかなきゃいけないのに…


一旦そこを離れ、パトカーとは逆方向へと走り出した。


走り続けても、舞を待つダルシーの姿は見当たらない。

焦っていると、急に左腕をつかまれた。



振り向くと、ダルシーが待ちくたびれたという表情で立っていた。

舞にからにすると、苛々していることが腕を掴む力で伝わってきた。





 「 ごめん…」

 「 どこいってたの ?…こんな時に…」

 「 いや…警察官に…あ !ダルシー、変な人がいたんだけど…」

 「 変な人なんてそこらじゅうにいるでしょ」


  ツッコミどころ満載——

 「 違うんだよ ! 『ダルシーによろしく』とか言われたんだよ !」


口を開けて、ダルシーは腕を放した。
舞は腕をさすりながら、付け足した。

 「 その人、警察官だったよ…ダルシー知ってるの ?」

再びダルシーはいつもの無表情になった。
が、動揺しているのは分かった。


 「 ダルシー危なかったんだよ…私…」

 「 悪いけど、その人は知らない」






 「 ゲームの関係者かな…でも知らない」

 「 じゃあ何 ? あの人誰 ?」


知らないと首を振ってダルシーは歩き出した。


  誰……もしかして…いや…




 「 ねぇ…もしかして、あの人が撃ったの ?」

 「 いや、別の人だから——」

ダルシーはそれっきり口を開こうとはせず、舞もそのことは忘れた。




歩いて三分ほど、高いマンションにたどり着いた。
ダルシーはそのままキョロキョロしている舞の腕を引っ張りながら、上の階へと行く。


 「 マンション…マンションに仲間がいるの… ?」

 「 そう」

とうとう最上階までやってきた二人は、一番奥へと向かった。