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Re: 短すぎる怪談話  お客様大歓迎です! ( No.17 )
日時: 2009/09/12 13:46
名前: 生八橋 ◆QaaoALcZEs (ID: K75.VLwZ)

第4話 中

バイトの工事現場へ着きました。
先輩から言われた言葉は、
「この穴をもっと広げてくれ」
こんな簡単なことで時給2000円か…高いな…
そう思いながらも頑張って穴を広げました。
(穴を広げるって、もっと掘るって事なのかな?)
そう思った聡さんは、穴に近づきました。
すると……
「うわっうわぁぁぁぁ! 」
聡さんは穴に落ちてしまいました。
穴の中には不思議な液体が入っています。
なんだかぬとぬとした黄色い奇妙な液体が……
聡さんはその液体を大量にのみ、そのまま気を失ってしまいました。
「…い……ぉい……おい!しっかりしろ! 」
聡さんは先輩の声で目を覚ましました。
「お前が完全に沈んでなくて良かったよ〜若い奴はお前しか居ないんだぜ? ほら。今日の分の給料だ。」
聡さんは何がなんだか分からないまま給料を手にしそこを出た。
その日の晩の事だ。聡さんは寝ている時に、いつもと違った感触を覚えた。
何だろう。それしか頭に浮かばない。背中に芋虫が蠢いている(ウゴメイテイル)ような気がした。
ビックリした聡さんは、急いで全身が映る鏡に背中を向けて、自分の背中を見た。
するとそこにはサナギの様な物が五つほど飛び出ていた。
「なっ……何なんだ! これは!」
病院に行こうとしたものの、急患ではない限り開けてくれないであろう。
聡さんはそう考えてそのまま眠ってしまった。
そして翌日……
バイトは夜なので、昼の家に病院へ向かった。
「先生! 背中に、出っ張りがありませんか? 」
聡さんは必死だった。
「……聡さん。聡さんが言うような、出っ張りは見あたりません。」
「そっそんな! 僕は確かに見たんだ! 僕の背中にだっぱりがあるのを! 」
聡さんは必死に訴えたのにも関わらず、出っ張りは無かったことになってしまった。
「はぁ……本当にあったんだよ……」
そうつぶやきながら鏡を見ると、なんと顔にまで出っ張りが出来ていました。
「な……なんなんだよ! これは! 虐めか! 」
思わず叫んでしまった。
「申し訳御座いませんがお客様、病院内ではお静かに……あら…」
近寄ってきた看護婦さんは、聡さんの顔をじっと見つめていた。

……続く…