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15話　悲シミ狂想曲
*憂無目線*
深夜……。

私は高いビルの屋上にいた。

「ハァッ……、今何時?」

鞄から時計を探り出し見てみると時刻は12時を回ろうとしていた。

……やっぱりただの噂、か……。

そう思い、私は屋上を去ろうとした……。

　　　　　　　　　　　　　　　　その時。

月光を浴びる建物の影が赤く光った。

驚いて振り返ると月が赤く光っていた。

思わず体が震えた。

コレは夢……なの?

『ふふ……夢などではないわよ……?』

不意に聞こえた声に驚いて振り返ると私の後ろに真っ赤なゴスロリを着た少女が立っていた。

「っ……誰っ……!?」

私の問いに少女は妖しく微笑んで言った。

『私は緋願花……依頼配達人……。貴女の憎い人はだぁれ……?』

頭で考えるより先に言葉が出てきた。

「鈴漓　未来!」

少女は笑って言った。

『貴女の……憎しみ……受け取りました……ふふっ』

すると少女は真っ赤な彼岸花を私に当てた。

その瞬間、私の意識は闇へと落ちていった。

　　　　　　続く