ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Re: 不思議な世界〜血の国〜05更新 ( No.39 )
- 日時: 2009/09/13 13:21
- 名前: 紅 ◆NC1AxUg.ec (ID: DrxGkANi)
06 転校生
「席について! 転校生が来てまーす!」
向日葵先生が叫んだ。
ザワザワとしていた教室が、いきなりシーンとした。
「入ってきていいよ、白斗君!」
入ってきたのは、真っ白の髪をしたイケメン!
「キャアー! イケメンよー!」などと、
うちのクラスの女子が、いいそうな感じの子だった。
「北風 白斗です。好きな話は、怖い話。よろしく」
そう言い終わると、向日葵先生は、黒板に、
「北風 白斗」と漢字で書いた。
「白斗君に質問したい人ー! 先着三名ー!」
「はあ!?」
「もっと増やせよ!」
ブーイングの嵐。
そんな時に、冷静に手を上げていたのは、葵と私だけ。
「じゃあ、葵さん」
「白斗君、趣味は?」
「人を怖がらせることです」
葵の質問に、白斗君は即答した。
「じゃあ、次は」
「先生!」
先生が指名しようとしたとき、白斗君がしゃべった。
「あの、黒い髪の子がいいです」
指さしたのは、
私!?
「はあ!? なんであんなブス子!?」
「白斗君! 私を当ててー!」
またブーイングの嵐。
「落ち着いて! 落ち着いて!」
またシーンとなる。
「あの、前はどこの学校に?」
「ブラッド スクール。ここの言葉で言うと、
血の学校ですかね?アハハ」
血の学校!? 血だらけの私を思いだす。
「おかしいかな? 別に怖くなんかないよ」
ホッとした。血の学校なんか、ないよね。
「はい、悟君」
先生は、知らない間に悟をあてていた。
「その髪は、染めたんですか?」
「いえ、お母さん譲りの髪です」
「そう、か」
悟はそう言い、席についた。
「はい、それまで! じゃあ、麻由香ちゃんの、
隣の席に座ってくれるかな?」
えーっ!? 私の隣!?
「はあ!? 先生、またブス子!?」
「信じらんなーい!」
「先生、サイテー!」
またまたブーイングの嵐。
先生もこれには、タジタジだった。
白斗君は、私の隣の席に座って、
「よろしく、麻由香さん」
と言った。