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Re: 不思議な世界〜血の国〜06更新 ( No.47 )
日時: 2009/09/13 17:37
名前: 紅 ◆NC1AxUg.ec (ID: DrxGkANi)

番外編 麻由香と悟(悟目線)

僕が麻由香を嫌いになったのは、小学校五年生のころ。


「さっとるー!」
いつも明るい麻由香。
太陽のようだった麻由香。
そのまぶしさが、苦手だった。
「ま、麻由香。よう」
「よっ!」
麻由香は、スキップをして、去っていった。
「廊下を走ってはいけないぞー!」
「走ってないもん、スキップだもーん!」
毎日が、笑顔だった。

「えっ、僕と麻由香がペア?」
組み立て体操する当日に、先生は言った。
「嫌です! 第一、僕の方が背が低いし、
トーテムポールで倒れたらどうするんですか!?」
先生は苦笑いをした。
仕方ない。ペアになろう。
「わかりました、先生」
先生は驚いてから、「そう」と笑った。

無事、組み立て体操は成功した。
だけど。
「悟とは絶好だぁーっ!」
「しょーがないだろ! 麻由香のせいだからな!」
ケンカしていた。
理由は、









僕が落ちそうになったから。



大技「二十一人タワー」で、僕が一番上だった。
成功は、一番下の麻由香にかかっている。
僕が立つ時に、麻由香のバランスが崩れた。
下を見ると、すごい高さ。
落ちる!

そう思った時に、助けてくれたのは、








葵だった。



そして、葵が好きになり、麻由香が嫌いになった。





ささいな理由だけど、僕は嫌だった。