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07　白磨

転校生の白斗君は、もうなれてきてる。
誰とでも普通に接してる。
私や葵にも。

「あ、麻由香！」
「葵！」
葵の栗色の髪が、風になびく。
「あのさ、炎先輩って無口だった？」
「無口じゃないと、思うけど」
「だよね！？」
急に声が強くなる。
それに私は、びっくりした。
「そ、それがどうかしたの？」
葵に言った。
すると葵は、「よくきいてくれました！」と言った。
「そう！　最近炎先輩の様子が、おかしいのよ！
なんでかつきとめない？　ね、お願い！」
葵は、頭を下げた。
葵の茶色い目が、チラッと私を見る。
「別にいいけど、なんでいきなり？」
「さあ？　なんとなく！」
明るいなあ、葵は。
えっと、炎先輩って人はね。
一言であらわすと、「美人」としか言えない人！
真っ黒なロングヘアといい、服の着こなしといい、
メイクといい、もう完璧で美人な人！
「その前に、髪整えてきていい？」
「いいけど」
すると私は、女子トイレの方に駆け出した。

「はあ、はあ」
全速力で走ったから、もうヘトヘト！
早く髪整えなきゃ。
鏡を見てみる。
いつものように、血だらけの私がいる。
もう驚かない。
だって、何回も見てるんだもん。
ちょっと怖いけど。
「キヲツケテ」
いきなり血だらけの私が言う。
「コノガッコウニ、ハクマガイル。キヲツケテ」
「ちょっ、白磨って誰よ！？」
「キヲツケテ。ハクマカラニゲテ。アナタヲコロソウトシテイル」
そう言われても、白磨って誰よ！？
もー、イライラする！
「ニゲテ。アナタノチカクニ、ハクマガイル」
「もううるさい！　白磨って誰！？」
「ワタシヲ、コロシタヤツヨ。トニカクニゲテ。コロサレテシマウ」
「ああ、もう！」
本当にイライラする！
なんでこんなのが、見えるのよ！
なんで私にしか見えないの！？
ああ、もう！　本当にイライラする！
「おーい！　麻由香ー！　まだー？」
「い、今行くー！」
そして鏡の方を見る。
「葵のところ行くから、じゃましないでね」
「キヲツケテ。イッテラッシャイ」
そして、女子トイレから出ようとしたとき、
ドアの前に立ちふさがったのは、












白斗君！？