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ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Re: 不思議な世界〜血の国〜07更新だニョ ( No.62 )
- 日時: 2009/09/19 11:55
- 名前: 紅 ◆NC1AxUg.ec (ID: DrxGkANi)
08 壊された鏡
「ちょっ、白斗君! ここ、女子トイレだよ!?」
白斗君は何も言わない。
白斗君の緑の目が、妖しく光る。
……まさか!?
ううん、白斗君がこんなことするわけない。
「ワタシヲ、コロシタヤツヨ。トニカクニゲテ。コロサレテシマウ」
血だらけの私が言った言葉を、思い出す。
もし、そうなら……?
私は、白斗君に……
殺されるってこと……?
そんなことないよね……?
これは、幻覚。
全部嘘よ……。
「ゲンカクジャ ナイヨ」
また血だらけの私の言葉を、思い出す。
これは本当におきてること……?
「白斗君! 私を殺さないで! あなたは白磨なの?
それだけ教えて! お願いだから!」
それだけ、聞きたかった。
白斗君に……。
「そうだよ。僕は白磨。血の国の住人。
簡単に言えば、未来の君を殺した犯人さ」
白斗君……いや、白磨が言う。
「ここには、邪魔な物がある。君にとっても、
僕にとっても……ね」
背筋が凍る。
もうわかってる。
それは……、
鏡。
パリィンッ!!
音をたてて、壊れる鏡。
破片が飛び散る。
「いずれにせよ、君は殺す。じゃあね」
白磨は、女子トイレから出て行った。
壊れた鏡には、
さらに血だらけになった、私がいた……。
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