ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ

Re: 怪談図書館 ( No.7 )
日時: 2009/09/21 17:03
名前: 紅 ◆NC1AxUg.ec (ID: DrxGkANi)

少女の自殺、少年の……
2話

皆は、美月をいじめようとした。
だが……、
皆はそれを、ためらった。
あんな綺麗な人を、いじめれるだろうか。
彼女をいじめたくない。
そういう人達ばっかりだった。
だが、皆は思い出した。
プライドを傷つけられた。
皆を、苦しめた。
許せなかった。
……皆は、美月をいじめることを決意した。

「おはようございます……」
美月は、やっと学校に来た。
30分の遅刻。授業が30分できなかった。
始業式早々、先生に美月は怒られた。
「美月君! 君はなぜこんなに遅いんだ!
 始業式早々、先生はこんなに怒りたくないぞ!」
「す、すみません……」
美月はしぶしぶあやまった。

そして休み時間になった。
美月は1冊の古い本を、抱えている。
本のほこりが、風で飛んでいく。
「ねえ、その本、なんて名前?」
1人の男子が、美月に質問した。
「これ?「屋上の幽霊」っていうホラー小説だよ!
 美月のお気に入りなんだっ!」
美月の声は、ウキウキしていた。
「へえー……。あ、こんな時間! じゃあね、炎!」
男子はそう言って、去っていった。
美月は微笑んだ。
「ここ、いい学校だな……」
美月はつぶやいた。

「あのさー、炎の件なんだけど」
皆は旧校舎の図書室に、集まっていた。
きっと、美月をいじめることを話しているのだろう。
「あいつの大切な本を、ビリビリに破いたら?」
休み時間に、美月に話しかけていた男子が言う。
「あ、たまにはいいこと言うねー!」
1人の女子が言う。
「じゃあ、それで決定だね」
ブランド物の眼鏡をかけた、茶髪の男子が言う。
茶髪の男子の目が妖しく光った後、誰かが言った。
「作戦……開始だよ」