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Re: 落第魔女と魔法の日々 ( No.6 )
日時: 2009/09/29 16:59
名前: ベアラー (ID: ImGaYTGg)

「よ〜い・・・・・・ドンッ!」
 一列に並んだ星組の生徒一同は、いっせいに雑巾掛けを始める。雑巾掛けレースだ。
 一位はミラ。少し遅れてイーグルが続く。
 このレースを始めたのはもちろんミラである。
 最初は無理矢理やらされていたイーグルも、だんだん気分が乗ってきたようだ。
 廊下の反対側につくとクルッとターン。またスタート地点に戻る。1番速く三往復した者が勝ちだ。

 ミラやイーグル、その他体力のある生徒達はすでに一往復目を終えていた。
 他の生徒はというと、
「つ、疲れたぁ〜」
「もうダメだ・・・・・・」
「限界・・・・・・」
などと言い、途中でリタイアしていた。
 
 それもそのはず。この廊下のスタート地点から折り返し地点までは、ゆうに百メートルはある。
 一往復=二百メートルなのだから、途中でへばるのは当たり前だ。

 しかし、上位の数名は疲れを知らない。すでに三往復目に突入していた。順位は相変わらず、一位はミラ、二位はイーグル。そして———
「やったぁ〜!」
 遂に、ミラは一位でゴールした。二位でゴールしたイーグルは悔しそうだ。

 廊下に残ったのは、途中でリタイアした生徒達。ミラは、腕を組んでその生徒達を見下ろした。
「あんた達、情けないわね〜。」
 何も言い返せない生徒達。しかし、
「じゃ、罰ゲームで後の掃除、よろしくな!」
というイーグルの言葉には、さすがに反応した。

「そんなの聞いてないよ!」
と一人の生徒。
「当たり前だ。今言ったんだもん。」
とイーグル。
「イーグルがサボりたいだけでしょ!」
と一人の生徒。
「うん。そうだけど?」
とすまし顔ノイーグル。
最後にとどめのミラの一言。

「いいからさっさとやる!」