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Re: 落第魔女と魔法の日々 ( No.8 )
日時: 2009/10/14 16:26
名前: ベアラー (ID: ImGaYTGg)

「何これ!」
 思わず叫ぶミラ。
 あの光のせいで既に視界は真っ白だ。
 あの黒い扉も、イーグルも、他の生徒達も見えない。まるで、ミラだけ違う世界に飛ばされてしまったかのようだ。

 ミラは苦し紛れに適当な魔旋律を唱えた。
「えっと、大気の力よ、我に力を貸したまえ、エル・シェーン!」
・・・・・・効果なし。真っ白な世界に変化は現れない。

「えーッと、果て無き道の先の終点、メリア・ニース!」
 今度は魔法の効果を終わらせる魔旋律。———しかし、相変わらず辺りは真っ白だ。

 ミラは無い頭をひねって必死に考えた。
「じゃあ、これでどうだ!絡んだ糸を解きほぐす、エース・ミース!
———て、え?」
 解呪の魔旋律を叫んだ瞬間、ミラは目をパチパチさせた。


 目の前には、しっかりあの黒い扉が見えている。
 横では、イーグルがミラと同じ様に目をパチパチさせているのが分かった。
 ミラが振り向いてみると、星組の生徒達が友達と抱き合ったり、しきりに目を擦ったりしていた。

「・・・・・・光が消えたんだ。よかった〜!」
と胸をなでおろすミラ。
「で、どうすんのさ?」
 イーグルは扉の方に向き直った。
「もちろん・・・・・・中を確かめるのよ!」
 ミラは元気に宣言した。
「おまえ、ちょっとは懲りろよな。」
と、イーグルは呆れ顔である。

「じゃ、開けるよ。」
 ミラは扉を開くと、中を覗き込んだ。