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Re: 白銀の時計と黄金の唄 ( No.2 )
日時: 2009/09/21 21:14
名前: うみねこ (ID: 2N4onKWr)

第1話

この物語の舞台は、仮想19世紀末のヨーロッパ。
ある少年少女たちの物語です。
さぁ、始めましょう。この物語を、始めましょう?



ダウストリア家、と言えば有名な貴族だった。
他にも有名な貴族はいた。
しかし、ダウストリア家が一番有名だった、という。
でもそれは昔の話。今は有名でも何でもない。

「おはようございます、エミリア」

「敬語じゃなくていいんだって!ユーリー!」

このことを言うのは、これで何回目だろう?
何回も敬語じゃなくていい、と言っているのに。
エミリアは困った顔をした。
肩につくかつかないか、くらいの金髪に、緑の瞳。
この子の名前はエミリア・ダウストリア。

「じゃあ・・・おはよう、エミリア・・・?」

「うん!おはよ、ユーリー!」

エミリアは笑顔で挨拶をした。これでいい。
戸惑った顔をしている少年の名は、ユーリー・ヘッセ。
茶髪の髪に、黒い瞳。
ヘッセ家は昔、ダウストリア家に仕えていた、使用人である。

「もうさー、家とかどうでもいいの!普通に話してよ!」

「は・・・・うん」

「よろしい!」

教会の鐘が鳴り響く。
始まりました。白銀の時計が、貴方へ時間を知らせます。