ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ

Re: 白銀の時計と黄金の唄 ( No.37 )
日時: 2009/10/13 14:02
名前: うみねこ (ID: 6O9ALPGt)

第15話

「・・・っがは!」

ユーリーは思い切り、リケイに蹴飛ばされた。
・・・動きが速すぎる!
リケイはニヤニヤと笑っていた。

『あれれ?おかしいなぁ。強いっていう噂を聞いてたんだけど?』

「・・・ぅるさいですね」

『全然強くないじゃん?きひひ!本日2人目になっちゃうよ〜』

今、なんて?
2人目?・・・じゃあ、リケイにやられた人がもう1人ってこと?
・・・エミリア!!

「誰なんですか、それ」

『お、立ち上がったねぇ♪気になる?見せてあげるよ♪』

そう言って、リケイは両腕を上げた。
すると・・・
上から人が、マリオネットのように腕に糸が巻かれている人が。
・・・それは少女だった。

「・・・ッ!汐音ーーーッ!!」

そう。汐音だったのだ。
服と顔に、真っ赤な血がベッタリついている。
でも、死んではいないようだった。

『汐音っていうの?ふぅ〜ん・・・』

「汐音を返してくださいッ!はやくッ」

『僕に勝てたらね・・・ッ!』

「負けませんよ、リケイ?」

次は、ユーリーもリケイも互角だった。
ただひたすら、リケイの動きに気をつけて、蹴る!殴る!

『やっぱりダウストリア家の使用人だな。きひひ!』

「・・・うるさいですね」

『ダウストリア家を護るために強くなったんだろう?』

「・・・そうだ」

リケイはニヤリ、と不気味に笑う。