ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Re: 光求戦争火 ( No.10 )
- 日時: 2009/09/22 17:23
- 名前: 羽夜 ◆RZNKdBQtkc (ID: xYJBB/ey)
戦争開始編■Part1
この世界には、神族、魔族、それから人間が居た。神が全てを統合し、魔が全てを破壊し、人はそれの均衡を保つ役目を定められていた。
そんな平和な世界が狂ったのは、ミアン・フェルル・クレイアリと言う少女が生まれた時からなのかもしれない。何故ならミアンは、神族、魔族、人間全ての血を持っているからだ。その強大な力を求め、世界の全ては対立する。そこで、戦争は起きた——。
「うわああああっ!! イタッ・・・・・・」
今転んで声を出した人物は、ミアン・フェルル・クレイアリだ。今は7歳と言う年齢でとても幼い。本当に、強大な力があるのかを疑ってしまう。転んだのが痛かったのか、ミアンは少し涙ぐむ。だが、ミアンは、
「泣かない・・・・・・!!」
と我慢して言う。戦争が始まったあの日、絶対に泣かないと決めたからだろう。「逃げて、逃げて、逃げ切って。それで、何を見ても泣かないで」ミアンの母にそう言われて決心した。絶対に泣かない、と。すると、12歳か13歳位で、茶髪の碧眼の男性がミアンに声を掛けてきた。
「ん? お前・・・・・・」
「誰? あなた」
「おれか? おれは、アレイ・クラ・レオゴル。アレイとでも呼んでくれ。12歳だ。お前は?」
「わたしは、ミアン。ミアン・フェルル・クレイアリ。7歳」
と、2人はお互いに自己紹介をし、暫く座って話し合っていた。
アレイの服装は、黒のTシャツに、焦げ茶のジャケットを羽織り、Gパンを履いている。Gパンには、ベルトで棒を止めている。焦げ茶のジャケットは、買ったばかりの様で、まだまだ新しい。これがどんどん汚れていくのは、わたしの所為なんだ。と思うミアンは暫く黙ってしまった。
「お前の所為じゃない。お前の強大な力を求めて世界が狂っただけだ」
と、アレイが慰める様に言った。ミアンはその言葉に反応して、泣いてる顔を上げた。
「・・・・・・本当?」
「なっ、泣かないでくれ! 俺が困るだろ!?」
「うわあああああん!!」
「ああああーッ・・・・・・!」
と言いながらも、アレイはミアンの頭をクシャクシャと撫でる。暫くこうしてると、大泣きしていたミアンは、泣き止んできた。すると、ミアンが、
「その棒・・・・・・何かするの?」
「ん、嗚呼。棒術を習っててな。お前、やるか?」
「う、うん!! やる!」
と、ミアンは緊張しながらも大きな声で言った。すると、アレイが棒をミアンの前に置いた。
「え・・・・・・?」
「え・・・・・・ってお前、棒術習うんだろ? さっさとやるぞ」
「う、うん。分かった」
とミアンは戸惑いながらも、自分の前に置かれた棒を取る。
「さ、やるか!」
アレイは気合を入れてそう言った。教える気満々で。
Fin