ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Re: Lvrtia ( No.2 )
- 日時: 2009/11/07 09:10
- 名前: Zero ◆jChV7AGnnI (ID: LpcnUUvD)
中に入ると、シリオンの姿はもうそこには無かった。
変わりにシリオンの知り合いであるロッタ・ジュ・ロバイラが居た。
レキが通り過ぎようとすると、ロバイラがそれを止めた。
「レキ」
烏が首をしめた様なしわがれた声がレキの名を呼んだ。
レキはロバイラを見た。
「何」
レキはロバイラの前に立った。
ロバイラはしわくちゃになった顔をゆっくりと上げた。
そして笑う。
「お前に、いいものをやろう」
ロバイラはそう言うと腰につけてあったかばんをあさりだした。
レキは首を傾げる。
「いい物・・・・・・?」
レキが呟くと、ロバイラが再び顔を上げ笑った。
そして、その<いい物>をレキに差し出した。
「受け取れ。レキ」
ロバイラは言った。
<いい物>とは<笛>の事だった。
だが、普通の笛とは違う、特別な何かを感じた。
レキは恐る恐る受け取る。
「これは・・・?」
レキは訊ねる。
ロバイラは本を取り出し、レキに差し出した。
「それは<光の笛>。いいか?それはこの先、必ず必要になる。忘れてはならぬぞ。合言葉は<シャイニングメモリー(光の記憶)じゃ」
ロバイラは、本を受け取らないレキに無理やり本を押し付け、詳しい説明を一つもせず去って行った。
レキはふと本の表紙を見た。
「光と闇」
レキは見たままを呟いていた。
そして次に、作者を見る。
そこには、<ラフィア・ディスカ>と、記されていた。
レキは部屋へと走った。
一気に三階まで駆け上がり、奥へと走る。
レキは扉を思い切り突き飛ばすように開け、すぐに閉めた。
そして、ベッドに入って、本を開いた。
<光と闇>—————————————————————————————————————
千年前、神と呼ばれる存在が生まれた。
それは我々の先祖にあたる者と、今存在している<大いなる闇>——————<ダークレヴァ>の先祖にあたる。
二人の神は、二百年の間、お互いを尊重し、平和な世を目指して尽くしたのだという。
しかし、八百年前、二人の神は決裂の時を迎え、大いなる破壊をもたらした。
その破壊をもたらしたのは、二人の神が編み出した、究極の破壊魔法<レヴェルティア>。
二人の神はその後、それぞれ別の世界へと移り、自らその見を封印した。
その後—————————————
レキが続きを読もうとしたとき、ノックなしで扉が開いた。
「レキ」
カイスだった。
レキは本をおきカイスを見た。
「どうしたんだ?」
レキは訊ねる。
「早くお休みになられてはいかがですか?明日は三時からですし、終わりはあさっての暁です」
カイスは言った。
レキはため息をつくと、布団に入った。
「わかった。・・・カイスも早く寝ろよ、おやすみ—————」
レキは眠りについた。
カイスは安心し、部屋を出た。