ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Re: Lvrtia ( No.5 )
- 日時: 2009/11/07 14:18
- 名前: Zero ◆jChV7AGnnI (ID: LpcnUUvD)
2.夢
今日、珍しく夢を見た。
三年前の様子がリアルに映像として投影される。
(ここは・・・・・・城?)
3年前の城。
特に興味を示さなかったためあまり覚えてない。
ここ数ヶ月で城内の改装が行われて、三年前とはだいぶ違う風になっているのだ。
「ひ・・・火だぞ!!」
兵士が叫んだ。
このとき、俺はたしか煙が出ていたのを知っていて、ラフィアを捜しに行っていた気がする。
そしたら、そろそろここを通るはずだ。
「お母さん!!こっち!!」
(俺の・・・声?!)
ラフィアの手を引きレキが逃げようとする。
兵士がそれに気付き、声をかける。
「早くお逃げ下さい!シリオン様は・・・?」
「きっと大丈夫。さあ、貴方も早くお逃げなさい」
ラフィアがそう言うと、兵士はとっさに逃げ出した。
「母さん」
レキが言う。
ラフィアはレキを見た。
「大丈夫。母さんがレキをちゃんと守ってあげる。約束したからね」
「うん」
(約束・・・・・・)
誰と約束したのか、その時レキと約束したのか、今良く考えてみるとわからなかった。
母さんは、どうしてレキを守るとしか言わなかったのか。
一緒に最後まで生きて、また暮らそうと言わなかったのか。
わからなかった。
そして一階に通じる階段から、多くの人が上がってきた。
そして、銃や鎌、剣などを構え、こちらに向ける。
(この場面は——————母さんが死・・・・・・!!)
内一人が母さんを撃った。
銃声が城内に響き渡った。
笑い声が一斉に起こり響いた。
「生きて——————レキ」
銃弾がラフィアに当たる。
ラフィアは撃たれた瞬間崩れた。
そして、ラフィアの血がレキを濡らした。
許せなかった。
それ以降の記憶は、あまり無い。
けれど———————————————。
「お前ら————————————」
レキは呟いていた。
体から何かが溢れ、レキを包んでいく。
笑い声が瞬時に消え、城内は静寂に包まれた。
その、次の瞬間。
「you kill」
と、レキが言い、突撃していった。
魔力が結晶化し、剣へと変貌を遂げている。
レキはその剣で、次々と相手を切り殺していった。
しかし。
その向こうから一人の剣士がやって来てレキの記憶の続きが始まった。
「・・・母さん」
レキが呟く。
なぞの剣士はレキのそばに来る。
「レキ。大きくなったな。・・・少しそこで待ってなさい。私はちょっくら行って来るよ」
剣士はそれだけを言い残して、どこかへと消えていった。
レキの夢は、そこで終わりを告げた。