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ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Re: 精霊浄化戦 ( No.1 )
- 日時: 2009/09/23 14:05
- 名前: 羽夜 ◆RZNKdBQtkc (ID: xYJBB/ey)
序章◆
「行って来ます」の形の「バイバイ」を残して——。
赤い猫を肩に乗せ、木で出来た茶色のドアを閉めた少年は、泣くのを我慢し、とても悲しそうな笑顔で猫に「何処に行くんだ?」と訊いた。少年の親は、武器屋で働いている。と言っても、本当の親は二人とも亡くなり、少年は一人になってしまったのだ。その育て親にもサヨナラを言うのだ。辛いに違いない。
少年の服装は、真っ白なシャツ・・・・・・と言うより、泥で汚れて茶色になっている。そのシャツの上には、黒いジャケットを羽織い、ズボンも、ジャケットと同じ黒色だ。武器屋から貰った剣は、腰のベルトに付けている鞘に入っている。その少年の服装を見た猫は、
「もうちょっと綺麗な服を着ようとは思わないの?」
「俺は着る物があればいいんだよ」
「・・・・・・信じらんない」
精霊と契約したあの日、あの家にはもう戻らない。そう、決めたんだ————。
少年は、決心した様にそう心の中で言った。
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