PR
ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Re: 精霊浄化戦 ( No.5 )
- 日時: 2009/10/09 10:17
- 名前: 羽夜 ◆RZNKdBQtkc (ID: xYJBB/ey)
一話◆契約 繋がり
「・・・・・・ねぇ、騙されたと思って契約してみない?」
その言葉を言ったのは、人間でもない、幽霊でもない、猫。赤い猫だ。契約を進まれているのは、見た目は13歳位の男。海色の蒼い髪は風になびき、黒い目はまるで驚いている様に開いている。
「何だ、それ。如何いう事だ・・・・・・?」
「だぁかぁら! 悪霊と化した精霊を浄化するのよ!! いい加減理解しないと怒るわよ?」
赤い猫が、怒りながら言う。そう、この契約の会話はかれこれ10回以上は続いている。それもその筈。この男は理解力と言う物が無いに等しいのだから。
「何でオレなんだよ」
「・・・・・・いい!? あなたは精霊が見えるの! だから精霊と契約できるのよ! 分かった?」
「その・・・・・・契約ってお前等にとっては必ずしないといけない物なのか?」
「うん、そうよ! あなたがOKしてくれれば、私は生き残れるの!」
その赤い猫、クローゼがそう言った途端、その男、フレイ=アルテミスが目を見開いた。それを見たクローゼも驚いた様で、こう言った。
「何よ、あなた。如何したのよ」
「契約・・・・・・しなかったら、そのまま死ぬのか?」
「死ぬとは言わないわよ? 消滅してまた生まれ変わるから・・・・・・だけど私自身も消滅してしまうわ」
「んなっ・・・・・・!? 何でだよ!」
フレイは、大きな声で怒鳴りだした。すると、クローゼが「静かにして」と冷静に言って、フレイは顔を赤らめた。
「・・・・・・輪廻転生よ。輪廻は死んだ後も無限に生き返る。転生は生まれ変わる。その人の何もかもなくなってしまうの」
「・・・・・・分かった。契約する」
フレイは少し悩んだが、決心した様に言った。そんなフレイを見て、クローゼは、
「ありがとう」
と微笑みながら言った。
PR
