ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ

Re: トイレの加奈子さん ( No.1 )
日時: 2009/09/27 13:34
名前: りんご (ID: 44GDRR0m)

#1

「きゃぁぁあああぁっっ!!で、出たあああ!!!!」


そう言って一人、トイレから女の子が逃げ出す。


「待ってよぅ!!ひどーい!!麻里なんてもうしらなーい!!うわぁ〜ん!!」


そういって、泣きながら走り出す女の子。


「フ・・・ッ・・・!!フフアハハハハ!!」


思わずもれた笑い声。

あぁ、人が来たら大変だわ!!


「ちょーっとー」


「!!」


「加奈子!!いい加減にしなさいよー??」

げ、由美・・・。


「はいはい・・・。今日はこれくらいにしておくわ・・・。」


そう言って私はトイレから出た。

「またおどかしたのね・・・。今日は何人よ?」


「う〜んと、、、ざっと19人ね。あぁ、あと一人欲しいわ!!そうすれば20人・・・」

といいかけたところで、


「いい加減にしなさーい!!!」


びくっ!!

由美、きれました・・・。


「あんた、何人おどかしたら気がすむってゆーのぉ?いい加減にしなさい!」

「は〜い・・・。」


私はしぶしぶ返事した。


————私の本職。それは、「トイレのカナコさん」。

4番目のトイレに住み着いているユーレイ!!

すっごく昔に自殺して、死んじゃったとか。

もちろん、4番目で。


————なーんていうのはウソの話。


私の作り物!!

小学校生活での生きがいといえば、こうやって「カナコサン」になりきって、みんなをおどかしまくるの!!

それは楽しいったらありゃしない!!

きっと、こんなに楽しいものはないわ!!


なかには、学校を転校した人も何人かいるという・・・!!


すばらしいわ、快感よ!!


「さーさ、さっさとお家に帰りマショー!!もうすぐ下校時刻よ」


「へいへい」


由美ったら、本当に真面目〜でお堅い人!!



私は由美に流されて下校時刻ギリギリに学校を出た。