ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ

Re: トイレの加奈子さん ( No.10 )
日時: 2009/09/27 13:42
名前: りんご (ID: 44GDRR0m)

#9


「それにしても・・・・・・。すっごい不気味な事もあるもんなのね」由美が当番日誌を記入しながらつぶやいた。

なんか、由美が若干感心しているような・・・・・・。



感心するようなことじゃないんだけど!



「でも、本当に気味が悪いよね。カナコさん、って。もしかしてさぁー、本当にいたとか?」


「ないない」


そんなことを話しながら、教室を出る。


今日は由美が当番(日直)だったから、教室の整理整頓、窓閉めなんかの手伝いをして、やっと今終わったところだ。



「ねぇ、ちょっとトイレ寄っていい?」


トイレに近くなった時に、由美が言った。


「あぁー、私も入るー!」


「つれしょんってあんた・・・・・・」
そんなことをいいながら、カバンを下ろして、トイレへ入ろうとすると———


「おわぁっ!」


ひ、ひひ・・・・・・人がいる!


っつーか・・・・・・。



「森下くん・・・・・・。なにしてるの・・・・・・。女子トイレで」


「!?」やっと私たちに気付いたのか、森下くん———森下刀乃くんが顔を上げる。



「鳳に古市!!なにやってるんだ、こんなところで!もう、みんなは帰ったはず・・・・・・」

なにやってるんだ、って、こっちのセリフだよ・・・・・・。


なんなの、この人。


しかも、女子トイレで。



ヘンタイ!?



「おい、そんな目で見るなよ!」

見るに決まってるでしょ・・・・・・。

「なにやってるの、森下くん?」


おっ、おお!


さすが由美。


いつでも冷静沈着は頼りになります!!



「実はな———」


森下くんが話してくれたのは、『カナコさん』についてだった。


「なんでまたそんな恐い話にノルのかなぁ・・・・・・。森下くんは?」


そう聞くと、由美が答えてくれた。


「・・・・・・だって、森下くんって『オカルト研究部』の部長でしょ?」


そうなんだ!

由美って、くわしいね。


「オカルト、ね〜」

世の中にはこういうものを追及したくなる人もいるのか・・・・・・。


世の中、知らないほうがいいことのほうが多いと思うよ?だって、いままでのウワサの『トイレのカナコさん』って、私だし。