ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ

Re: トイレの加奈子さん ( No.14 )
日時: 2009/10/03 15:36
名前: りんご (ID: 44GDRR0m)

#10

「さっさと帰ったほうが良いかも・・・・・・」


とつぜん、森下くんがエンリョがちに言ってきた。


ああ、調査の邪魔しないでってことね・・・・・。



「そうだね。かえろかえろー。もうすぐで5時だしさ〜あ〜」

「・・・・・・で、も・・・・・・」


あれ?由美・・・・・・。どうしたのかな・・・・・。いやそう?っぽいんだけどお・・・・・!?


「どうしたの?由美・・・・・・」

「あ、いや、なんでもっ!!!」


あわてる由美。


なんなの!?


・・・・・・気になるなぁ。


「じゃ、さっさと帰るかな!」


あれ、森下くんも帰るんだ。わたし、まだ残ってやって茎かと思ってたよ〜。


「いや、ちょっと今日はな・・・・・・」


なんか、決まり悪そうだし。


「わたしたちも帰ろうよ。加奈子。ほら、職員室行かなきゃいけないしさ」


「あ、うん。でも、待って。トイレ入らなきゃ・・・・・・!!」


そのとき、なぜか森下くんが止めた。


「だめだ・・・・・・!ここの、トイレはっ!!今は、入るな!!」


・・・・・・はぁ?

まさか、恐いのかな。この人・・・・・・。


「そうだよ、加奈子!職員室前借りよっ!」


由美まで!!


「う〜ん」

微妙な返事をして、立ち上がる。




「・・・・・・はやく、帰ろっか」


「うん」


あぁ、もうすぐで5時じゃない?

真っ赤な夕日が、校舎を照らす・・・・・・。

不気味に、光ってる。


「・・・・・・」

しばらく、黙って歩いた。

そして、わたしは「あっっ!」と声を上げた。


「い、るっ・・・・・・!!」

「!!」

裏門から出ると、ちょうど、あのトイレの窓が見える。


だれかが、こっちを見てる。


見てる、見てる、見て————!!!!



「きゃあぁぁああ!!!!」



そのあとは、覚えていない。


その子の顔が、どんなだったとか、髪型とか、服装とか・・・・・・。


目が覚めると、ただ闇の中にいて・・・・・・。



「ゆ、由美ぃ・・・・・・。い、いる?」


暗闇に目を慣れさせてから、辺りを見渡す。


「起きたのね!良かったわ!」


あ、由美・・・・・・。良かったよ!!


「どこ、ここ」


「・・・・・・学校よ」


「は!?———っていうか、学校って、ここ・・・・・・学校のどこよ?明らかにコレ・・・・・・」



トイレじゃない!?


「んん、まぁ・・・・・・」


なんで平然としてるのっ!?


逃げようよぉっ!


「いや、だって・・・・・・。か、加奈子がっ・・・・・・!起きなかったからっ!恐くて・・・・・・」


由美・・・・・・。ごめんね・・・・・。


「じゃ、とりあえず、出ようか?」


「うん・・・・・・」


学校、今何時だろ。真っ暗だし、職員室にはだあ〜れもいないよ。



「あ、そうだ!家はっ!?お母さんとか、心配してるかも!!」


「あ、それは無理だったの」

え、無理って!?


「公衆電話で、さっきかけてみたんだけど・・・・・・。つながらなくって。『圏外』ってやつ?」


な、なんでぇ〜!?

だいたい、なんで圏外になるわけよ?

そんな公衆電話、学校に要らないってのよ!



「まぁまぁ、そうおこらないでよ」


でも、由美・・・・・・。

行動早いね。だって、私が寝ちゃってる間に、一人でここめで来たんだから!!

感心する。

「そう?ありがと」

由美が照れくさそうに笑った。