ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ

Re: トイレの加奈子さん ( No.4 )
日時: 2009/09/27 13:36
名前: りんご (ID: 44GDRR0m)

#3


「はー、まったく・・・。夜中に見回りなんて参っちゃうよー。ったくどこぞのクソガキがカナコさんとかやってるせいでよー」


夜中、毎晩のように見まわり当番がある。


それはもちろん、侵入者、不審者、そして『カナコサン』のために。


そして今夜は4年3組の教師————山本健二先生が見回りをしていた。


「うし、そろそろ戻るか。やっぱりなにもなかったじゃねーか」


「うう、しくしく」


「??」

トイレ———4階の女子トイレ———から・・・。


「ううっ、しくしく・・・うわーん」


泣き声がした。


女子トイレの中から————



「んん??なんだ・・・??こんな夜中のトイレに・・・」


そして、山本先生は女子トイレに近づく。


声がだんだんと近付くにつれて大きくなる。


「・・・・・・」



「だれ・・・だれかぁ・・・っ!!うぅ・・・助けてぇ・・・」


「どうした?大丈夫か———というか、誰かいるのか〜??」

そう言って彼は近付いた。








そして、ドアを————





開けた。












「ありがとぉ・・・助けてくれて・・・。でも、もう少し早く助けてくれたらよかったのに———。だってワタシ・・・もう死んじゃったから————」