ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ

Re: トイレの加奈子さん ( No.8 )
日時: 2009/09/27 13:41
名前: りんご (ID: 44GDRR0m)

#7


「ちょっと、ありえなくない?」


朝、教室へ向かう途中、みんなが口々に文句を言っていた。


「誰がやったの、これ・・・・・・」


(なんだろう・・・・・・?)


人だかりのほうを、なるべく背伸びして見てみる。


「ん〜?」


トンッ、と背中を叩かれた。


「ん、誰・・・・・・って、由美かぁ。どうしたの?」



由美がすっごく暗い表情をしている。



「なにがあったの?」


由美がため息混じりに、話し出した。





「あの、トイレの前に、ね。落ちてたの・・・・・・。あれが・・・・・・」


由美が指差すほうにあったのは————



「体操着?しかも、あれ・・・・・・」


びしょぬれで置いてある。しかも辺りもびしゃびしゃじゃん・・・・・・。



「誰の?あの体操着」



「それが・・・・・・、分かんない」


「は?」


「名前がね、『カナコ』って書いてあるの」


「カタカナ?っていうか、名字は?」


「消えてて、分かんない」


「・・・・・・」




キーンコーンカーンコーン・・・・・・


チャイムが鳴り響く。

「ほらほらー!早く席に着いて!!先生が片付けておくから!」


先生が来た。かなり怒ってるみたいで顔が真っ赤・・・・・・。


「は〜い」と、みんなしぶしぶ教室へ入っていく。



「なんなのかな、あれ・・・・・・」

「なんか、気持ち悪い〜」



みんながざわついたまま話している。



でも、本当になんか気味が悪いな・・・・・・・。

なんであんなに濡れてるの?

なんで名前がカナコ?しかも、カタカナ?

誰か分からないようにするための、イタズラ・・・・・・なのかな?



一人でいろいろ想像してたら、誰かが私の腕を引っ張った。


「?」

見てみると、先生?

「おい、ちょっと鳳、来い」


あ、呼び出しくらった・・・・・・。