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ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Re: 疾風の魔術師 ( No.2 )
- 日時: 2009/10/01 18:29
- 名前: 小鳥 (ID: nWEjYf1F)
プロローグ
パッパラパッパーパッパーパッパラパー。
こんな朝早くから甲高くラッパの音が響いている。
「姫様!姫様、お目覚めの時間ですよ!」
若い男の声がした。ユリヤだ。
「うるさいユリヤー。あと10分・・・・・・」
わたしがまたベッドに入ると、再びラッパの音が響いた。
そして何秒も続く。
10秒、11秒、12秒、13秒・・・・・・。も、もう我慢できない!
「ユリヤうるっさーい!起きるからそのラッパ止めて!」
「は、はい!かしこまりました」
ユリヤはわたしに一礼すると、兵隊達の元へ駆け出して「やめ、やめ!」と叫んでいた。
え、わたしが何者かって?わたしはイギリス最古の王家・エリーゼ家の娘・ななみ=エリーゼ。
でも別に王家に生まれて良かった、姫になれて嬉しいなんて思っていない。
この立場のせいで、幼い頃から英才教育をさせられ、
そのせいで友達とも遊べなかったし、学校にも行けなかったの。
そして、お母様だって私が2歳の頃に亡くなった・・・・・・。
だから今、わたしが頼る物はお母様の形見のステッキとお人形だけ。
でもまさか、このステッキとお人形がわたしの運命を変えるだなんて、思ってもいなかったんだ。
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