ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Re: 怖い物語〜短編集〜 ( No.5 )
- 日時: 2009/10/02 19:52
- 名前: 勇人 ◆NC1AxUg.ec (ID: DrxGkANi)
- 参照: 元、紅だけど何か?
「殺しに行くよ?」
ねえ、知ってる?
「5642194」っていう、電話番号の電話にでると、殺されるんだって。
え? 嘘じゃないよ? 本当にあったんだから。
私だって、それで死んだから……。
「行って来まーす」
いつも通りに、学校に登校していた。
昨日よりも、すごく沢山降っている。
まるで、バケツをひっくり返したようだ。
こんな日に限って、嫌なことがおきるんだから……。
毎回、雨の日の気分は最悪だった。
友達と遊べない。外で鬼ごっこもできない。最悪だ。
もうすぐ運動会なのに……。大丈夫かなあ?
とても不安になる。
「おはよー」
土砂降りの雨の中、すみれ色の古い傘をさして、秋菜が来た。
「秋菜! なんか今日遅かったけど、どうかしたの?」
「え……?」
秋菜は黙り込んだ。
何も喋らない。秋菜らしくない。
「どうしたの、秋菜? 秋菜らしくないよ?」
「う、うん……。実は、お母さんが交通事故で死んじゃって……」
「えええぇっ!?」
思わず叫ぶ。
あのしっかり者の、翠さんが!?
嘘だ! 嘘に決まってる!
でも、秋菜のあの顔……。
嘘じゃ……ないんだね……?
「そしてね、お母さんが死ぬ前にね、5642194っていう電話番号の電話が、かかってきて……」
秋菜は泣きそうになっている。
「それでね……。電話にでたら、「殺しに行くよ?」って、小さい女の子の声が聞こえたんだって……」
秋菜の頬に、涙が一筋……。
かわいそうだ……、秋菜。
「大丈夫、そんな暗いこと忘れよう! ね?」
「うん……」
秋菜の顔には、笑顔が戻っていた。
そして、時は流れ、下校時刻。
「じゃあねー」
「ばいばい、秋菜」
秋菜と別れて、1人になった。
雨はまだ、降っている。
本当に今日はジメジメしてて、最悪だったな……。
なんか、おこんないかな?
そう願った瞬間だった。
トゥルルルルル! トゥルルルルル!
沈黙をぶち壊す、携帯の着信音。
「5642194」っていう電話番号。
私は電話にでた。
「もしもし?」
「ウフフフフ……」
幼い女の子の、笑い声。
「殺 し に 行 く よ ? 」