ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ

Re: 怖い物語〜短編集〜 ( No.8 )
日時: 2009/10/03 11:34
名前: 勇人 ◆NC1AxUg.ec (ID: DrxGkANi)
参照: 元、紅だけど何か?

「呪い唄」(これはほぼ歌です(小説じゃねーよ))

黒い森の木の下で 私とあなたは出会った
でもあなたには 触れられない
触れられる方法は ただ1つ
あなたのくれたナイフで 心臓を刺すだけ
あなたの為なら 死んでも構わない
血で染まったナイフを見てみる
これで あなたに触れられる
あなたと同じ世界で 生きていける
でもあなたは 私に少しも振り向かない
なぜ? 私のことを「好き」って言ったよね?
あれは嘘? 裏切ったの?
ならば 永遠の眠りにつかせてあげる
この地獄に落とすナイフで あなたを殺してあげる

あなたは 地獄に落ちた
でも 私はまたあなたに恋した
今度こそ 振り向かせてあげる……
私はあなたのためなら 醜くなっても構わない
あなたがくれたナイフで 私の全てを切り裂く
血に染められても 何も感じない
地獄に落ちても 構わない
あなたに 会いに行く
そして 地獄に落とすナイフでまた心臓を刺す
地獄に落ちた
あなたに やっと会えた
だけど やっぱり振り向かない
あなたは 最悪の人間だった
こんなに綺麗な私に 少しも振り向かない
最悪だ! 最悪だ……!
あなたを 永遠の闇に葬ってやる
死より悲しい 地獄に葬ってやる
私をもう 悩ませないで
私はナイフで あなたをずたずたに切り裂いてやる
永遠の闇に 葬ってやる……!

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
「ウフフ、いい歌」
梨花は笑った。
イヤホンを外し、呪いの歌を口ずさむ。
梨花は知らなかった。
これを歌った者は、私と同じ人生をたどり、死ぬということを……。





「黒い森の中で……」