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Re: 桜蘭戦士伝——ouran-senshiden ( No.12 )
日時: 2009/10/06 21:18
名前: ☆:.:苺羅:.:☆ ◆RP4/4zHHbo (ID: fQl/VR.0)
参照: 時は大正、世界を滅ぼそうとしている組織が存在した——by桜蘭戦士伝

*02



 翌日、私は朝の光に包まれて目を覚ました。
 だがなんか違和感がある。……なんでだろうか。
 いつもの自分の部屋じゃないところで、ベットではなく布団で寝ている。
 そのうえ洋室じゃなくて、和室だ。私の家ではない。
 もっと驚いたのは、私の隣や斜めには他の人影が寝ていたことであった。
 その顔を見ると、どこかに見覚えがあった。

 「優志に孝文に辰雅に、龍夜に康義……?」

 私は独り言を呟く。孝文と辰雅というのは、優志の弟で龍夜と康義というのは私の弟の名前。
 しばらくして他の5人も起きて、異変に気付いた。

 「あれっ……? 俺確か、自分の部屋で寝ていたはずなのに?」

 孝文がおきるなり、目を見開いてそういった。

 「あら、起きたのかしら?」

 和室の障子からみえる少女の影。そして透き通った声がした。
 障子は静かな音をあげて、開いた。これで少女の姿がはっきりとわかる。
 少女は黒い髪に首のところまでのおかっぱ頭で、前髪をピン止めでとめている。
 切れ長の目で色白であり、紫色の着物を身にまとっていた。

 「お前、誰だよ?」

 優志がすっとんきょうな声をあげて、少女に尋ねた。
 私も同じ気持ちでいるが、あえて聞かなかった。
 というか初対面にそんな口聞けるなんてすごいなーと逆に関心してしまう。

 「あら失礼しました。私の名前は千崎桜と申します。梅沢高等女学校に通う3年生です」

 桜と名乗る少女はすらすらと自分のことをいった。
 ……ん? 待てよ、今高等女学校っていわなかった?

 「あの、高等女学校って……」
 「どうかされましたか? 貴女の自己紹介もしてくださいな」
 「えと、七瀬香織13歳。春椿中学校に通う女子中学生です! よろしく」
 「え……?」

 私は桜に自己紹介をしろといわれたのでしたのに、今度は桜が不思議な顔をしてそういった。

 「中学は男が通うものでしょう? なぜ貴女は女なのに中学校へ……?」
 「はぁ!?」

 これには全員、言葉が重なった。全く意味がわからない。
 ……いやまて、どこかでこのような話を耳にしたことがある。
 ……そうだ、昨日の社会の授業の事だ。

 「あの、つかぬことを聞くけど今って何年何月?」
 「……大正15年7月9日よ」
 「え……」

 私は耳を疑った。あの大正時代なのだという。

 「大正15年っ!?」