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Re: 桜蘭戦士伝——ouran-senshiden  02話あぷー ( No.13 )
日時: 2009/10/08 16:56
名前: ☆:.:苺羅:.:☆ ◆RP4/4zHHbo (ID: fQl/VR.0)
参照: 時は大正、世界を滅ぼそうとしている組織が存在した——by桜蘭戦士伝

*03




 とりあえず、布団を片付けて居間へ連れられた。
 居間にはちゃぶ台が置いてあり、そこには人数分の茶碗が並べられていた。
 居間は和室っぽい感じだが、そこからチラ見できるキッチンは洋風なので驚いた。
 私達はいつもと違う空気に唖然としていると、キッチンから40代半ばの女性が料理を運んできた。

 「ごめんなさいねー適当に食べててくれるかしら?」

 そういって女性は料理をちゃぶ台に置くと、またキッチンへ戻った。
 それと入れ替わるかのように桜がやってきた。

 「ごめんなさいね、急いで作った食事なものですから……」

 メニューは白いご飯に味噌汁、そしてサラダである。私達は温かくて美味しいご飯にぱくついた。
 その時、何かに気付いたかのように辰雅が呟いた。

 「……ここテレビないねーなんでー!?」
 「テレビ? そんなもの初めて知りましたわ。こちらの世界では存在しませんが、あなた方の世界では存在しますのね?」

 この発言からやはりここは本当に、大正時代なのであろうか。
 次に孝文が呟いた。

 「てゆうかさーここどこなんだよ? 大正時代に来たとか漫画みたいなことあるはずないだろ」

 この発言に桜はブチッときたらしく、立ち上がった。

 「……まだ信じていらっしゃられないの!? この世界には私が連れてきましたの。……信じられないようならあとで外をごらんなさい!」
 「…………」

 桜の発言に私達は唖然とした。

 ご飯を終えると、私達は後片付けを手伝ってようやく外へでることになった。
 
 なるほど、桜の言うとおり私達の世界とは少し違う。
 まず電車のようなバスが通っていること。
 そして、人力車や昔の形の車が通っていること。
 通行人には和服を着ている人もいれば、洋服を着ている人もいた。
 現代のようなケバいギャルもいないし、ファーストフード店ですら見当たらない。
 街ですれ違う人の中に、携帯をいじってる人なんてみかけなかった。
 

 「……ね? 貴方達の世界とは違いますでしょう?」
 「でもどうして僕達をここへ連れてきたの?」

 康義がきょとんとした顔で桜に尋ねた。
 桜は天使のような笑顔から、突然真顔になった。

 「……それはね……」