ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ

Re: 桜蘭戦士伝——ouran-senshiden  03話あぷー ( No.16 )
日時: 2009/10/13 19:16
名前: ☆:.:苺羅:.:☆ ◆RP4/4zHHbo (ID: fQl/VR.0)
参照: 時は大正、世界を滅ぼそうとしている組織が存在した——by桜蘭戦士伝

*04




 「それは……何?」

 桜の言葉に興味津々で私達は声をそろえて聞いた。
 もったいぶらないで早く言ってほしいものだ。

 「ここで立ち話もなんですから、あちらのレストランで話しますわ」

 桜の言葉に甘えて、私達は近くのレストランへ寄った。
 このレストランというのは、現代にも続く料理店であるが、大体洋食が普及し始めたこの時代からレストランというものが現れた。

 「話せば長くなるんですけど……」

 私達がレストランでの美味しい食事を堪能していると、桜が改まってそういった。

 ——時はまだ江戸時代である万延元年(1860年)。
 この時代にも不思議な組織が存在していた。
 その組織たちの悪事を食い止めたのは、桜蘭戦士と呼ばれる男女の団体であった。
 この頃活躍していた武士とは違う、どちらかといえば欧米風の戦士達。
 その戦士たちの子孫が桜であり、そのまた子孫が私たちならしい。
 桜は部屋の掃除中、押入れからある書物を発見した。

 「それにはこんなことが書いてあったのよ」
 「どんなっ……?」

 龍夜がまず、その話に食いついた。桜はその内容を話し始めた。

 「事件が起きた、万延元年の149年後に、桜蘭戦士と同い年の少年少女6人が現れるだろう。そして万延元年の66年後、15歳の少女は、未来からその人たちを連れてくること。これは絶対に守れ」

 ではここで、桜蘭戦士を紹介しておこう。(全て満年齢)

 ・千崎佐那子……女、13歳。
 ・千崎海舟……男、11歳。
 ・千崎慶喜……男、9歳。
 ・荒田孝允……男、13歳。
 ・荒田隆盛……男、11歳。
 ・荒田利通……男、9歳。

 「それって……いつに書かれたものなの?」

 私は疑問に思って桜にたずねてみた。

 「確か、明治のはじめ頃じゃないかしら。……私、それをみたんだけど馬鹿らしいと思って、寝ようとしたのよ……そしたら声が聞こえて」

 桜は寝ようとしたとき、幻聴らしきものが聞こえてきたらしい。
 その声は不気味で低かったそうだ。
 その声で「未来人を呼びに行け」といわれたら、怖くなって誰だってその通りにしてしまうだろう。
 桜は立ち上がると、無理やり引っ張られて、それから私達を連れてきたというわけならしい。

 「へぇ……ってことは、桜さんは私の祖先?」

 私は桜にまた尋ねた。
確か昔、私が生まれる直前になくなったと聞いた、ひいおばあさんが桜という名前だったはず。

 「香織さんと龍夜さんと康義さんの曾祖母にあたりますわ。優志さんたちは確か、荒田さん家族が祖先に当たると思われますの」

 馬鹿丁寧に桜がそう述べると、孝文が目を見開いた。

 「えっじゃあ……この世界のどっかに俺らの祖先がいるってわけかっ!?」
 「まぁどこかにいらっしゃるでしょうね。……それで本題、貴方達にどうしても協力してほしいことがあるの」

 思えばこれが全てのはじまりだった……桜のお願いから始まった。