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Re: 桜蘭戦士伝——ouran-senshiden  05話あぷー ( No.28 )
日時: 2009/10/13 19:16
名前: ☆:.:苺羅:.:☆ ◆RP4/4zHHbo (ID: fQl/VR.0)
参照: 時は大正、世界を滅ぼそうとしている組織が存在した——by桜蘭戦士伝

*06




 「香織さんっ! 剣よっ剣!」

 桜がとっさにそういったので、私は素早く剣をとりだし、なんとか抑えることができた。
 ……だがこれからどうしていいのか、いまいちわからない。
 今でもこんなに震えているのに……。
 そのときである。
 どこからかわからないが、女の人の声がした。
 桜とはまた違う、ちょっと低い女の声。

 「聞こえますか……? 私は千崎佐那子。私がついてるから安心して戦いなさい」
 「えっ……あっ……はい!」

 私は剣を一振りすると、何故か剣が光って、男は数10メートル飛ばされた。
 そしてとどめをさすと、男は姿を消した。
 それと同時にみつの声も消え、私はへたへたとその場に座り込んだ。

 「さっきは……きっと佐那子さんが来てくれたのよ! これから度々こういうことが起こるから、気をつけてね?」

 ——翌日。
 私達は朝ごはんを食べた後、暇なのでボーッとしていると、桜が慌しく居間へやってきた。
 何か服を持っている。

 「今日から学校だわよ! 香織さんは私と一緒に高等女学校へ! 優志さんは中学へ、孝文さん、龍夜さん、康義さん、辰雅さんは尋常小学校へ行きなさい」

 そういうと、桜は床にセーラー服と学生服を人数分並べた。
 あまりの唐突な出来事に、私達はただ唖然とするばかり。
 だが桜が急かすので、私は別室にセーラー服をもっていって着替えることにした。

 「香織さん、早くいくわよー!」
 「えっあっはい!」

 私は桜と一緒にダッシュで学校へと向かった。
 学校は家から徒歩10分だったので、そう時間はかからなかった。
 教室へ入ると、すでに全員の生徒が集まっていてこちらに注目していた。
 席に座ると、嫌味ったらしい女の声がした。

 「なにこの、貧乏くさい女の子。この子が転校生?」
 この発言に私はムカッときた。
 「貧乏臭くてすいませんね? あんたもちょっと飾りつけすぎで痛いよ?」

 この女の子が、とんでもない存在だとは知らずに……。