ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Re: 漆黒の闇薔薇園 ( No.33 )
- 日時: 2009/10/13 19:01
- 名前: b'`*)ノ桜姫⌒゜* ◆hjAE94JkIU (ID: MvNuGlrn)
- 参照: http://www.doumori.com/bbs_talk/show.php?kiji_id=332573
5話 イビツ
夕暮れ時……
町に行けばまだ夕日が明るいのに、森は薄暗く何だか不気味……。
でも、あの時紅い髪の少女は確かに言った。
「暗い森の奥で、闇に祈れ」と……。
この付近で暗い森といえばここしかない。
だが、闇に祈れとはどういうことなんだろうか……
そう思いつつ私は暗い森の奥へと進んでいった。
その時、不意にあたりが闇で包まれた。
驚いて顔を上げると……そこにあったのは……
真黒な闇で包まれた館だった。
庭には一面、黒い薔薇が咲き誇っている。
そこには如雨露片手に薔薇の手入れをしている……あの紅い髪の少女がいた。
少女はこちらに気づくと私の方へとやってきた。
そして私の耳元で囁いた。
「中で主がお待ちです」
少女に連れられ私は館の中へと足をふみ入れた。
館の中には黒い服を着た人形達が飾られている。
まるで生きている人間のようで、ぞっとした。
しばらく進むと一際煌びやかな扉の前にたどり着いた。
少女は扉をノックするとこう呟いた。
「主、連れてまいりました」
すると中から声が返ってる。
『いいわ、お通しなさい』
少女はゆっくりとドアを開けた。
部屋の中は一面闇だった。
部屋を照らすであろうランプの火まで漆黒の色に揺らめいている。
その部屋の奥で微笑む紅い目の少女……。
「闇宵……さん……?」
そう、それはこともあろうに同じクラスの闇宵さんだった。
驚きで声が出てこない。
漆黒のゴスロリドレスに身を包み、眼の色が紅く髪を下ろしているが間違いなく闇宵さんだ……どうして?
すると闇宵さんはクスクス笑い、立ち上がった。
『いらっしゃい 古照 渉子さん、ようこそ「闇薔薇の館」ヘ』
闇薔薇の館………?
『貴女が此処へ来たということは……叶えたい願いがあるのでしょう?』
叶えたい……願い……
私の願いはただひとつ……
「要 縲を消して!!」
私の声が部屋に響き渡る。
すると闇宵さんは妖しく微笑むと
『貴女の願い……叶えましょう』
その瞬間、私の意識は闇へと落ちて行った。
*続く*(なに