ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Re: 漆黒の闇薔薇園 ( No.83 )
- 日時: 2009/10/17 15:25
- 名前: b'`*)ノ桜姫⌒゜* ◆hjAE94JkIU (ID: ZQ92YvOU)
- 参照: http://www.doumori.com/bbs_talk/show.php?kiji_id=332573
7話 暗闇の彼方から聞こえる愚かな貴女のための鎮魂歌
私は部屋の窓を開けるとベランダに降り立った。
冷たい風が頬を撫でる。
私は漆黒の翼を出すと夜蝶と紫苑、闇華とともに夜の空へと飛び立った。
バサバサと翼は空を切り目的地へと到着する。
目的地———そう、それは縲の家。
案の定施錠がされている。
正直施錠とか面倒くさいです……。
そう思いつつ人差し指を鍵に向けて呟く。
『薔薇獄錠……解』
パチッ
と黒い火花が散った。
鍵は見事に開いている。
こうして私達は縲の家へと侵入した。
縲は部屋で本を読んでいた。
私達を見ると恐怖で口をパクパクさせている。
まぁ無理もないですわよね。
ゴスロリを着た翼の生えた少女三人がいるんですもの。
普通の反応ですわ。
すると闇華がニコニコしながら縲に近づいていく。
『うふふ……貴女……美味しそう……』
あらま。
『……闇華に目を付けられるなんて……運の無い子』
夜蝶は冷めた口調で言う。
まぁ事実ですけど。
とりあえず……
『闇華!その子は貴女にあげますわ、私は……対価をもらいに行ってきます』
私はそれだけ言うと紫苑達とともに飛び去った。
残された縲と闇華。
『貴女……怖がらないで?……怖くないわ……?』
真紅の血が飛び散った。
一方の私達は……古照渉子の家に来ている。
古照渉子は私を見ると駆け寄ってきた。
「縲は!?縲を消してくれたの!?」
クスクス……願いに囚われた愚かな人よ……。
『ええ、願いは叶えましたわ。今回は対価を頂きに来ました』
渉子の笑顔が引き攣る。
「何……対価って」
『願いを叶えるためにはそれに見合った対価が必要ですわ……今回の対価、それは……貴女の魂』
渉子は声にならない悲鳴をあげる。
すると夜蝶が背後からすっと出てきた。
『薔薇呪縛』
夜蝶が呟くと茨が渉子の身体に纏わりつく。
『対価……確かに頂きますわ』
ズルッ……
*続く