ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ

Re: 人・類・滅・亡・リモコン ( No.1 )
日時: 2009/12/30 15:28
名前: 唄子 ◆pHAblsSAME (ID: PQvy21Xz)

第一話 始まり
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 あたしには二人の友達がいる。秋野 玲菜と明日原 香里という子だ。玲菜とは親友と言ってもいいほど仲が良いけれど、香里とは友達になってからあまり時間が経っていない。

「杏江、聞いて聞いて!」
「な、何?」
「この雑誌に凄い記事が載ってたの!杏江も見る?」
「何々? 見せて!」

 今、あたしに話しかけて来たのは玲菜だ。いつも笑顔で、頭が良くて運動神経も男子といい勝負、って感じだからあたしの憧れでもある。でも、校則では禁止されているのに雑誌やお菓子、携帯電話やゲーム機を持ちこんでいるのはどうかと思うけど……。あと、今、玲菜の隣りにいるのは香里。香里は大人しくて、成績は香里とトップを争う。あっ、いけない、忘れてた。玲菜があたしに見せた記事とは……。

「杏江、こんな物を作る人なんて、バ..カだよね」
「へぇ、人類.滅.亡リモコンか」
「そうそう。こんなの押されたらウチら終わる! ヤダ! 絶対に杏江と香里と一緒に生き延びたい!」
「そうだよね……」

 そうだ、読者の皆さんもこの雑誌の内容、見る?

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人類.滅.亡リモコン現る!

 皆の命を狙.う組織、「DARK GOD」。その組織のリーダーが人類.滅.亡リモコンを持っているという情報が入った。約半年後である4月10日にリモコンのボタンが押されるらしい。「DARK GOD」本部の地下に巨大な爆弾があり、威力は原子爆弾の一兆倍以上。しかし、我々がこの作戦を止めるのは不可能に近いので残りの半年間を楽しもう。
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 残りは半年……か。どう過ごそうかな……。って考えている間に、香里が喋りだした。

「でも、取り止めさせる事もできるかもしれないわ。いっそウチらだけで暴走を止めようか」
「香里! 危.ないから止めよう!」

 あたしは慌てて反対した。しかし、香里はこう言った。

「じゃあ、ウチだけで止めるわ」
「香里! 一人で行くくらいならウチも行く! 杏江も行くよね?」
「あ……うん」

 あたしは無意識にこう言ってしまった。自分達の命がかかっているのに。……こうして、全ては始まった。あたし達と「DARK GOD」の闘いが。
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