ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Re: 人・類・滅・亡・リモコン ( No.101 )
- 日時: 2010/01/17 17:09
- 名前: 唄子 ◆pHAblsSAME (ID: PQvy21Xz)
第二十八話 生存率ゼロの闘い
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「さようなら、DARK GODに捕まらないようにね」
香里は、挑発してくるように言った。
「……お前もな」
「よー、指名手配者君、カッコイイね!」
「うるせぇ! ノア!」
俺はノアとふざけて帰ることに慣れていた。……今日は、終業式だった。
「……おい、奈央土、お前、最近何でテストの成績いいんだ?」
「知らね。自分で考えとけ」
しかし、今日だけは今までの平和な日常とは違った。
「奈央土さん、お久しぶり……」
「ゆ……夢歌か?」
「今日は、貴方の命.を頂戴し.に来ました。」
夢歌は、黒笑みを浮かべた。
「奈央土……こいつがDARK GODの奴か?」
「フフフ、実は、そうなんです」
夢歌は、数本のナイフを取り出した。そして、俺に投げた。
「……!」
「あら、よけるのはお得意のようですね」
夢歌は再び悪魔のように笑った。
「仕方がありませんね。それでは……」
ナイフが逆方向に動いた。……そして、俺を追うようにして飛んできた。
「何故だ、何故なんだよ!」
「忘れたのですか、私はマジシャンなんですよ。……生存率がゼロに近い闘い。さて、貴方はどうします?」
「諦めねぇ!」
「それでは、仕方がありませんね」
俺は夢歌に攻撃出来ないまま、逃げていた。
「さて、もうそろそろ終わりにしましょうか」
「させるか!」
しかし、体力がもうない。なので、俺は夢歌の方に向かった。
「あら、私にそんな事しても……」
……俺は、夢歌の頭を強く.殴.った。
「な……奈央土!」
夢歌は、倒れた。そして、ナイフが地面に落ちた。……夢歌は暫く倒れたままだった。
「奈央土……お前……」
ノアは震えていた。
「……仕方がねえだろ。人類滅亡を止めるには」
人を殴.って、心が何となく痛かった。夢歌は動かない。打ちどころが悪かったのだろうか。
「ここは、どこ……。何で私は外にいるの……?」
夢歌は、突然、そんな事を言った。
「……貴方が助けてくれたの?」
「何言ってるんだ?」
「私は、DARK GODに捕まったはず……」
俺には、意味が分からなかった。
「……ったく、お前も成長したな」
何処かからか、男がそういった。日本人のようだ。
「覚えてねぇのか?お前を福岡まで送った奴だ。そいつは元々は普通の薬剤師だった。洗脳された奴だ。若返りの薬を飲んだから、餓鬼になってるんだ。……しかし、お前がそいつを助けるとはな。見直したぜ」
男はそう言うと、夢歌を連れて行ってしまった。
「あ……あの時は……」
「ああ、お前がDARK GODを倒.してくれればいいさ。あばよ」
……俺は、何が何なのか分からなくなっていた。
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