ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Re: 人・類・滅・亡・リモコン ( No.107 )
- 日時: 2010/01/17 17:13
- 名前: 唄子 ◆pHAblsSAME (ID: PQvy21Xz)
第三十話 さようなら玲菜
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学校が終わると、玲菜から電話がかかってきた。
「も……杏江。怖いよ。……DARK GODって、本当に強い。杏江、生きる為にも諦めた方がいい。香里にもそう言っておいてよ。お願い!」
……突然何を言い出すの、玲菜?
「玲菜の為だったら死..んでもいい! 助けに行くから待っててよ!」
「辛い……死..にたい……」
玲菜は、心がかなり傷つけられているようだ。……雑用係は、重労働だったようだ。
「待っててよ……!」
「杏江、来るのが遅いよ。遅すぎる。遅くなかったらこんな事にはならなかったのにね。……生まれ変わっても親友だからね、杏江!」
「……何言ってるの! 玲菜、待っててよ! すぐに来るから!」
「ごめん、もう駄目、耐えられない! さようなら!」
……すると突然、銃声が……電話の向こうから悲鳴が聞こえた。
「いやあああ!」
玲菜の悲鳴が聞こえると、電話が切れた。しかし、あたしはまだ受話器から手を離さなかった。
「れ……玲菜! 生きてるでしょ? ねえ、生きてるなら生きてるって言って! 無言のままじゃ何も分からないから! ねえ——」
しかし、受話器からは玲菜の声は聞こえない。ツーツーという音だけ。
「れ……玲菜、玲菜! ヤダよ!」
そして、テレビからニュース速報が流れた。
「DARK GOD反逆者の秋野 玲菜容疑者、十三歳がさきほど、自.殺..しました」
嘘だ、信じない、信じない! しかし、心の奥底ではそれを認めていた。……そして、いつの間にか手の中にはお金が……。
「……何考えてるの、あたし……」
ところが、あたしは心の中の衝動に負けた。そして、ホームセンターへ……。
「これ、下さい」
買った物は、手袋と包丁。あたしの心は、死神へと化していった。そして、外へ出て行った。
……DARK GODの奴ら、絶対に許さない。玲菜の敵をとってやる。リーダーがDARK GODなんて組織を作るから、いけないのよ。自業自得。この手でDARK GODごと消.してみせる——そんな気が起こった途端、後ろから手が……。
「今は止めとけ、餓鬼。命を粗末にしたいのか?」
日本語で、誰かがそう言った——。
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