ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Re: 人・類・滅・亡・リモコン ( No.109 )
- 日時: 2010/01/17 17:15
- 名前: 唄子 ◆pHAblsSAME (ID: PQvy21Xz)
第三十一話 反逆者を見守る者
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「は……離して! 離さないと……これで……」
あたしが持っている包丁が光る。あたしの腕を掴んだ男は黒い服を着ている……つまり、DARK GODの奴だ。
「いや、アンタには死..んでもらう!」
「落ち着け! 餓鬼!」
男はあたしの手をはたいた。……包丁を地面に落とした。しまった、このままではあたしが死.ぬ。あのDARK GODを倒.す前に。
ああ、もう駄目だ。生きられない——。あたしは、目を閉じた。玲菜、やっと会えるんだね。香里達が来るまであの世で待っていよう——。
「……何やってるんだよ、妄想してるのか? 変な餓鬼だな」
……い、生きてる!何で?
「あたしを.殺..さないの?」
「残念だが、お前の望み通りには出来ない。お前が死..ぬと全人類が困るからな」
「DARK GODはあたしを狙ってるんじゃないの?」
「狙っている。だが、俺は狙わない」
……この人、何言ってるの? 敵のはずなのに。
「俺は一応DARK GODの奴だ。だが、お前らのDARK GODに立ち向かう勇気が気に入っている。昔から反逆者だった北濃 奈央土って奴を俺は数年前に助けた。あいつはその頃は小学生だった。数日前にそいつと再会した。すると、そいつもたくましくなっていた」
「あたし、実はその人、知ってるんです」
「そうか。お前の勇気も気に入った。さっき一人でDARK GODを倒.そうとしていたじゃねえか。だが、一人で行くな。必ず誰か強い奴と共に来い。……だが、一人でDARK GODを倒.しに行くような勢いで向かっていけ。分かったか?」
「……はい」
「包丁は預かっておく。だが、手を出せ」
あたしが手を出すと男は手にお金を置いて去っていった。
「あ……あの……」
「ああ、俺は一応お前の敵じゃねえからな。だが、包丁を突き立てられた事は許せねえから」
男は闇に消.えた。
「はあ……何やってたんだろ。あたし」
自分の力だけではDARK GODに勝てない事が分かった。……ところで、何だったんだろ、あの人。変なの。奈央土さんが小学生の時に奈央土さんを助けたって言ってたけど。もしかして城島さんのようなスパイだったりして。ところが、他のメンバーのように戦った後の傷……みたいなものがない。DARK GODの中では仕事しないのかな……。
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