ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Re: 人・類・滅・亡・リモコン ( No.114 )
- 日時: 2010/01/17 17:18
- 名前: 唄子 ◆pHAblsSAME (ID: PQvy21Xz)
第三十三話 仮名がバレた
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俺はノアとDARK GODのページをインターネットで見た。
「おい、奈央土、人類滅亡までにヒューストンまで行けるのか?」
「ノア!奈央土君の事は治人君って呼びなさい!治人君が捕まったら地球の未来は無いのよ!」
サラさんはいつもノアにそう言う。
「仕方が無いな……」
「……まあ、何か特別な事が起きない限り、間に合うだろう。本部襲撃は二月だ。日付は香里達と同じだが、集合時間は俺らの方が遅い」
「おい、そっちは女しかいないだろ?」
「香里が早く行くと言っていた」
「……香里に決められたのかよ」
実は、そうなのだ。
「ああ、あいつは単純な奴だ。杏江から聞くと香里は人類滅亡の記事が載っている雑誌を見てDARK GODに立ち向かった」
「何て奴だよ、香里って」
……確かにあいつは変わっている。俺が今までに会った女子の中では勇気がありすぎる。
「しかもお前、香里より一つ年上だろ?」
「そうなんだが、あいつは飛び級で俺のクラスに入ったから、『同じクラスのアンタはウチと同級生って事にしてるの。しかもアンタはこの前、社会と理科のテストの点数がヤバかったじゃない。こんなの簡単に九十点台とれる』って言いやがった。飛び級とか、日本では飛び級とかマジであり得なかったから、日本では高校とか大学で俺が落第でもしない限り、香里とは同級生にはなれない」
「ふーん。治人は成績悪いからどうせ日本に帰れても高校で落第して香里と勉強する事になるんじゃないの?」
「前言っただろ。俺は福岡出身、香里は東京出身だ。多分同じ学校には行かないだろう」
「あ、そうか……。杏江って奴も東京出身って言ってたな。残念だな、お前の彼女達と出身地が違うから」
「黙っとけ。しかも杏江には会った事がねえし」
ノアはいつも通り俺をからかう。
「おい、パソコンで家の電気使いすぎるなよ、電気泥.棒!」
「黙っとれ!」
「おー、怖い怖い」
DARK GODのページには、俺達に喧嘩を売るような文が載っていた。
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反逆者が、只今逃走中です。カナダに北濃 奈央土容疑者がいるらしいです。竹藤 治人という仮名を使っています。何か情報があったら、DARK GODまで通報して下さい。私達は反逆者の罪を早く裁きたいのです。
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……罪を犯しているのはどっちだ? お前だよ。
「おい、お前、仮名ばれてるぞ……」
「……大丈夫だ。これは総力戦だから、こっちも本気だ。仮名がばれようと、俺は闘う。悪いのは、俺らじゃねえから」
……実は少し怖い。クラス全員に俺が反逆者だと、ばれてしまうからだ。
「お前、震えてるぞ……?」
「大丈夫だ。早く明日の学校の用意するぞ」
俺は不安な気持ちを隠して明日の授業の用意をした。
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