ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Re: 人・類・滅・亡・リモコン ( No.126 )
- 日時: 2009/12/26 11:11
- 名前: 唄子 ◆pHAblsSAME (ID: PQvy21Xz)
第三十八話 あと一カ月
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パソコンを見ると、杏からメールが届いていた。
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FROM:杏
久しぶり! 覚えてる? 杏だよ。アメリカの滞在はどう? ウチはイギリスだけど……。まあ、多分似たような国だと思うけど。でも、此処は杏江達がいないから寂しいな……。あと、ウチはすぐにはDARK GOD本部に行けないし。いいな、アメリカは。ところで、一カ月後は本部襲撃ね。DARK GODは強いし、怖いけど、ウチらの友情パワーで潰..しちゃおうよ! 玲菜を亡.くしたのは悲しいけど、玲菜の分もやっちゃおう。それじゃあ、今から学校だからもうここで終わるね。バイバイ。
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そうか、もう襲撃まであと一カ月……。人類滅亡リモコンのボタンが押されるのはまだ先だけど。その日までに空手の練習でもしなきゃ……。杏からのメールは、あたしを嬉しくさせた。
「杏江、何見てんの」
お姉ちゃんが来た。
「メール」
「……杏って誰?」
「あたしの友達。イギリスにいるの。元々は日本にいたけど、DARK GODが日本から出るように命令したから離れちゃって……」
「へー」
そう、友達と離れたのはDARK GODのせいなんだ。友達はお金で買える物じゃないから。
「一応、杏もあたしと一緒に本部へ行くの」
「ふーん、じゃあ、その人も世界を救う勇者ってことね。あんた達、似てるわね。名前に同じ漢字があるから」
「友達は杏だけじゃないの。香里、真子、優子、美沙都もいるし、あと、お姉ちゃんも知っている通りジュディも友達」
「杏江って結構友達いるのね……」
「でも、玲菜って友達がDARK GODに捕らわれて自.殺..しちゃったの」
「え……じゃあ、二度と会えないじゃないの」
そう、先に死.なれると、残されたあたし達は辛い。しかも、自.殺..って、無責任だと思う。人がここまで悲しむことも知らずに.死.ぬなんて、酷いと思う。それが親友だから、あたしはもっと辛い。
「玲菜は酷いけど、もっと許せないのはDARK GOD。玲菜を追い詰めたから」
「まあ、人類滅亡させるなんて変な事考えてる集団だからね」
確かに、イカれた組織だ。DARK GODって。
「ねえ、杏江。玲菜って子の名字、教えてくれる?」
「秋野……だけど」
「ふーん。あ、何でもない」
まさか……お姉ちゃん、玲菜に会ったことがあるの? それとも、玲菜と何か関係があるの……?
「もしかして、秋野って名字に聞き覚えあるの?」
「無いわ。……あたしが小学生の時、五十鈴 玲菜って子が転校してきたから」
……良かった、何でもなかったみたい。
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