ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Re: 人・類・滅・亡・リモコン ( No.137 )
- 日時: 2009/12/26 11:23
- 名前: 唄子 ◆pHAblsSAME (ID: PQvy21Xz)
第四十二話 恋
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「友一、早く食事の支度しろ」
うわ、怖い……。
「ごめんなさい!」
さっき、反逆者と呼ばれる人が向こうを歩いていた。だから、僕は落ち着かない。名前は橋本 杏江というらしい。僕と同級生のようだ。
「……ったく、やっと見つかったよ。橋本 杏江が」
「しかも、自首するとか、どういう奴だよ。やる気無くなったのか?」
自首した……? 僕は、杏江という奴をもう一度見たくて仕方が無かった。どんな臆.病な奴か、知りたくなった。……僕はDARK GODメンバーがいなくなったのを見ると、こっそり調理室を出た。そして、杏江という奴の後ろをこっそり見ていた。
「か……かわいい」
後ろ姿しか見ていないが、かわいい奴だと分かった。僕がこんな彼女を持ってたら、守ってあげたくなるだろう。
「お前の苦労も水の泡だな」
杏江を連れているDARK GODメンバーが笑いながらそう言った。
「な、何よ、いつかはアンタに内緒で抜け出すんだから! あたしも本気になったらアンタなんかギタギタなんだから!」
……性格もかわいい。何てかわいい奴だ。僕は一目ぼれしてしまった。
「しかし、お前、物.騒な奴だったな。玲菜って奴の敵だって、俺に包丁を……」
まさか、この人は。
「おう、友一。元気か?」
気付かれた。
「赤峰……さん?」
「おう、まさかこの嬢ちゃんに惚れたのか? ははは、嬢ちゃんのハートは俺の物になってるからな。残念だな」
「はあ!?」
「冗談だよ、杏江。こいつはここに強制的に連れて行かれた、友一って奴だ」
杏江は、こっちを見た。……マジでかわいい。多分、奈央土先輩が見たらヤバいだろう。
「よろしくお願いします……」
「あたし、橋本 杏江。まあ、あたしはもうすぐ.死.ぬけどね」
「そうなんですか……」
死.ぬって……。初めて会った人の事なのに、悲しくなった。
「そんなもん、分かんねえだろ。分かんない事まで勝手に決め付けるな。……おい、友一。もうそろそろ戻れよ。ヤバいぞ」
「はい」
そして、杏江は何の抵抗もせずに赤峰さんに連れられた。赤峰さんも本当はリーダーが怖いんだな。杏江を連れてリーダーの所に行くなんて。リーダーに逆らったら地.獄行きだから。
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