ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Re: 人・類・滅・亡・リモコン ( No.172 )
- 日時: 2009/12/26 09:46
- 名前: 唄子 ◆pHAblsSAME (ID: PQvy21Xz)
第四十七話 運命の日は近い
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久々に提雄に電話してみた。
「よう、提雄」
「奈央土か。カナダでかわいい女の子見つけたか? モモエって奴」
「んな訳ねえだろ」
杏江の友人である香里には会ったのだが。
「女の子だったら、ここにもいるのにねー」
何故か、突然、受話器から女声が聞こえた。
「はあ!? ……何だ、美音子か」
「何だって何よ。せっかく提雄の家に入ることが出来たのに」
それにしても、どうして美音子が提雄の家にいるのだろうか。
「何でお前が?」
「だって、皆ここに集合しているから」
おいおい、俺だけカナダにいるのかよ……受話器から再び提雄の声が聞こえた。
「奈央土を呼ばなかった理由は奈央土がいないと何をしようと自由だからだ。お前がいるとその彼女、モモエの話が出来ないし。つまり、今までの状態は『鬼の居ぬ間に洗濯』」
「俺が鬼かよ。それと杏江は彼女じゃねえし」
全く、面白くない奴だ。しかも杏江を彼女と勝手に決めてやがる。
「ところで、奈央土、用件は何だよ」
「二日後、何の日か覚えてるか」
「バレンタインデー」
それは、もう過ぎた。ちなみに、俺は今年、チョコを貰っていない。甘いのが苦手だからだ。中一の時貰ったチョコはこっそり提雄にあげた。女子には申し訳ないが。
「過ぎてるだろう、真面目に言え」
「ヒューストンに集合」
分かってるのなら、最初からそう言え。
「それなら、もういい」
「おいおいおい、もうちょっと話しようぜ」
何だよ、突然。
「誰だよ俺のこと鬼って言った奴は」
「冗談に決まってるだろ」
「そうだと分かっていても何となくムカつく。だから切る」
「あー……」
提雄のことは無視して切った。
「あーあ、またこいつ家の電気.奪.いやがった」
「黙.れノア」
提雄二号かよ、お前は。まあ、提雄は元々仲良かったから許してやる。二号は何となく許せんが。
「ところで、お前、大丈夫か? 二日後」
「当たり前だろ。俺が決めたことだ」
……問題はこれからだ。本部襲撃の後、人類が滅亡するかしないかが決まる。まあ、実際には地球滅亡なんだが。
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