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Re: 人・類・滅・亡・リモコン ( No.178 )
日時: 2009/12/29 21:20
名前: 唄子 ◆pHAblsSAME (ID: PQvy21Xz)

第四十八話 明日は出陣
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「……ここか、集合場所は」
あたしは、ヒューストンにある白い家を見つけた。その家は、玲菜の別荘らしい。玲菜がさらわれた時、玲菜の家にその家の鍵が残されていて、隣に置き手紙が置いてあったらしい。
「大好きな皆へ。ウチが万が一DARK GODにやられた時のために書いておくけど、この鍵でウチの別荘のドアが開くから、本部襲撃の前日にウチの別荘で泊まってね。 玲菜」
と書いてあったと、香里から聞いた。
「柚江、大丈夫かね……」
「うん、おじいちゃんの修行のお陰で体力ついたよ」
おばあちゃんがあたしに付き添ってヒューストンまで飛行機で行ったのだ。
「柚江、頼んだよ…….死..なないでおくれ」
「大丈夫、皆がいるもん」
おばあちゃんはあたしの手を強く握りしめた後、去っていってしまった——あたしは、白い家の扉にノックして、それを開けた。
「杏江?」
杏は驚いてこっちに来た。
「杏江、捕まったんじゃないの?」
「あれは実は偽者なの。ニュースでやってなかった?」
「あ、そうだった。でも、暫く会えなかったから寂しかった。そうそう、真子と優子と美沙都もいるよ。ほら、上がって」
リビングには、真子と優子と美沙都がいた。
「杏江!」
「久しぶりだね。ところで、香里は?」
「分からない」
困ったな、もう集合時間なのに。
「まあ、飛行機の遅れでこうなったんじゃないの?もう少し待とうよ」
「今のところ、飛行機に遅れは無いよ、杏」
「え……?」
真子はケータイの画面を見ていた。
「まさか、向かっている途中でDARK GODに……」
「香里が捕まるわけないじゃん、優子」
「それは分からないわよ」
……暫く、誰も喋らなかった。
「心配だから、ちょっと行ってくる……」
「も、杏江?」
あたしはそのまま玲菜の別荘から出た。そして、とりあえず駆けていった——向こうに香里と男の姿があった。
「母さんから話は聞いた。絶対にDARK GOD本部に行かないでくれ」
「嫌! 何で引きとめるの? 父さん!」
「お願いだ、頼む」
「嫌!」
あれは、宇宙飛行士の明日原さん……いや、香里のお父さんだ。どうしてこんな所に?
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