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Re: 人・類・滅・亡・リモコン ( No.189 )
日時: 2009/12/29 21:12
名前: 唄子 ◆pHAblsSAME (ID: PQvy21Xz)

第五十話 出航
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「奈央土、お前、もう行っちまうのかよ」
「突然何なんだよ」
「いや……お前がいなくなるから寂しい、とは全然思わないぜ」
俺は今、荷物を鞄につめている。昨日やっておけば良かったのだが、荷物をつめることなど楽勝だと思ってしまっていたので昨日は何もしなかった。畜.生.、昨日の俺。今の俺にどれだけ苦労させる気か。……いずれにせよ、俺は俺なんだが。
「おいおい、もうすぐ家出ないと遅れるぜ」
「……やっと終わった」
俺はノアの家の玄関まで急いだ。
「奈央土」
母さんが俺を呼び止めた。
「何だよ、急いでいるときに」
「これを持って行きなさい」
母さんは、俺にお守りを渡した。
「日本にいる間に買ったの。たまには母さんと父さんのことを思い出しなさい……」
おいおい、俺がアメリカにいるのは短時間だということは知ってるだろ。まあ、俺が.死.んだら生涯会えないが。
「そんじゃ、あばよ」
「またな、奈央土」
「気をつけてね」
母さんとノアとサラさんが俺を見送った。そして、俺はサラさんの知り合いが社長を務めているフェリー会社まで行った。そして、社長室まで行った。
「……サラから事情は聞いた。それでは奈央土君、早くフェリーに乗りなさい」
「はい」
社長は、フェリーを貸切にしてくれた。しかも、フェリー乗り場のないヒューストンまで連れて行ってくれる。DARK GODに立ち向かうことにおいて、大きな救いだった。……そして、フェリーは出航した。そして、俺は世界を救う戦いの場所に近づいていった。
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