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ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Re: 人・類・滅・亡・リモコン ( No.212 )
- 日時: 2010/01/09 17:49
- 名前: 唄子 ◆pHAblsSAME (ID: PQvy21Xz)
第五十二話 YUZUE
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柚江は器用で、料理や洗濯、何でも出来る。お陰で、僕の仕事が減ってしまった。女は怖いな。
柚江は今まで、僕に全てを話していた。柚江の祖母に隠されていた事も、杏江に会ったのはつい最近だった事も。柚江が心を開いてきたのだ。
初めは赤峰さんに、
「何であたしを助けてくれなかったの」
と、何度も言っていたが、最近はそう言わなくなった。赤峰さんもそれに安心したらしい。
今、DARK GODメンバーのみ夕食をとっている。
「うまいな、お前の料理。向こうの奴のより」
赤峰さんは僕を指差して笑った。
「あいつに勝っても全然嬉しくない」
「そうか、そうか」
食事は、DARK GODメンバーが全員食べ終わった後に安っぽいパンが僕達に配給される。だから、僕達は食事に満足できない。
柚江は安っぽいパンが気に入らないらしく、普段から不機嫌だ。
「友一の奴、最初は料理が激.マ.ズだったが、一か月後に食べると非常にうまい。友一が.死..んで、こっそり違う奴に変わったかと思ったぜ。でも、お前は初めからうまい。リーダーもいい奴を俺によこしたもんだ」
「何、その言い方」
柚江は呆れていたが、その後笑った。……あいつ、可愛い。可愛すぎる。
「お前が笑っている所、初めて見たぜ」
「どうでもいいじゃない」
とりあえず、柚江が笑っていたので、良かった。
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