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Re: 人・類・滅・亡・リモコン ( No.245 )
日時: 2010/01/19 22:43
名前: 唄子 ◆pHAblsSAME (ID: PQvy21Xz)

第五十九話 罠
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 この部屋には、あたし達とさっきの敵しかいない。
 敵は、さっきの攻撃に唖然としていた。

「……あれ、もう何もできないのかしら? ねえ?」

 傷..だらけの香里がそう言った。

「……うん、銃.だけが僕の武器さ。もう、僕の負けだ。残念だな、君には勝てると思ったのに」

 敵はそう言った。

「ウチらが勝ったって事なのね、銃.の予備ぐらいちゃんとしなさいよ……ね」

 香里は、そう言って倒れた。

「香里!」

 皆は香里のそばに行った。

「……あんた達、来てたの? ……まあいい、次の部屋に行こう、奈央土達に先を越されたから」

 香里は冷たい声でそう言った。そして、何とか自力で立ち上がった。
 香里は体がふらついているけれど、歩くことはできる状態だ。杏と真子が香里を支えながら、あたし達は次の部屋に向かった。
 暫く歩いていると、二つの扉が見えた。
 美沙都は、二つの扉を見てこう言った。

「私と杏江が左側に行きますから……他の皆は右側に行って下さい」

 香里が心配だけど、あたしと美沙都は左側に行った。
 しかし、その部屋にいる下っ端は、全員倒..れていた。

「あれ——?」

 もしかすると、ここを奈央土さん達が通ったのかもしれない。
 さっき香里達と別れた所に戻ろうとすると、突然、声が聞こえた。部屋の奥に、スピーカーがある。

「反逆者サン、早クリーダーノ所ニ行キタイデショウ? 近道ヲ教エテアゲルヨ」

 すると、あたしの下の床が開いた——。
 美沙都は、幸い、この罠に引っ掛からなかった。あたしがいる所だけ、罠が作動した。

「わああああ!」
「杏江!」

 あたしは、そのまま下に落ちた——。
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