ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Re: 人類滅亡リモコン (もう少しで完結) ( No.267 )
- 日時: 2010/01/31 16:39
- 名前: 唄子 ◆pHAblsSAME (ID: PQvy21Xz)
第六十四話 親友
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「人を、利用? そんな事言わないでよね、ウチらは親友なんだから。杏江がウチにお願いしたから、ウチも杏江にお願いしてもいいと思うけど」
玲菜がそう言った直後に奈央土さんの仲間の一人が、あたしを掴んでいた玲菜の手をはらった。
「……! 何するのよ!」
「杏江ちゃん、こいつは一方的だ。杏江ちゃんを自分に都合がいいようにしている。親友だったら、そんな事するか? 自分の欲望の邪魔をされたくねえんだよ、こいつは。しかも、人類滅亡を企.む奴と親友でいたいと思うか?」
……玲菜は、確かに一方的だ。あたしが言うことを聞かなければ香里達を炎の中に閉じ込めるって言ったし。
親友だったら、人が嫌がることはしない。……そう、玲菜は親友なんかじゃないんだ。
「そうやって杏江をウチの敵にさせるつもりなの? ウチと杏江の仲はそう簡単には壊れないのよ」
「……いや、もう、あんたは親友なんかじゃない。ただの敵!」
あたしは、さっき思った事をそのまま言った。
「何ですって!?」
あたしの敵は、リーダーである玲菜だ。だから、玲菜は、親友なんかじゃない——人類滅亡を企.む奴なんかが、親友だなんて嫌だ。
玲菜、いや、リーダーは舌打ちしながらこう言った。
「……杏江だけ生き残らせてあげたかったんだけど、あんたがそう言ったのならしょうがないわ。ウチにそんな事言ったから、もう許してあげないからね?」
「許さなくたって結構」
あたしはそう言った後、リーダーに攻撃しようとした。——が、あたしの体が突然動かなくなった。……喋ることも出来ない。
「驚いた? 私は魔法の薬を飲んだからね、最強になったの。今は超能力で杏江を動けなくしているの」
な……何て卑..怯.な! 魔法の薬って!
「杏江ちゃんに何やったんだ、お前——」
あたしを説得した奈央土さんの友達も、リーダーにかかっていった——が、彼も体が動かなくなった。
「おい、本当に動けないのか、提雄!」
奈央土さんはそう言ったけど、提雄という人は何も答えなかった。
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