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Re: 人類滅亡リモコン (もう少しで完結) ( No.272 )
日時: 2010/02/02 22:33
名前: 唄子 ◆pHAblsSAME (ID: PwsOoYFR)

第六十五話 最後の戦いの終わり
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「ここにいる皆って、口だけなのね。DARK GODを倒.すなんて無理なことなのよ」

 リーダーはそう言って笑った。……あたし達に勝ち目は無い。

「ところで、奈央土君、もう攻撃しないの? 案外弱.いのね」

 奈央土さんは、リーダーそう言われても何も答えなかった。

「せ、先輩」
「諦めるんですか……? 友一を助けてないのに」

 彼の後輩達は慌てている。泣き出しそうな顔だった。
 それでも、奈央土さんは何も答えなかった——。

「どうやら、私の勝ちのようね」

 リーダーはそう言ってまた笑った。彼女の笑い声が、部屋全体に響いた。彼女は、余裕の表情だ。
 リーダーがこんなに強かったなんて——。

「さて、幹部達……この……人達を牢.屋……へ」

 リーダーは、そう言った。が、何故か疲れている。
 さっきまで黙っていた奈央土さんが、こう言った。

「……この時を待っていた」

 え? どういう事……?
 奈央土さんは、ポケットから紙を取り出した。

「ようやく薬の効果が切れたか。書いてあるだろ、これに」

 その紙とは、薬の説明書だった。
 それには、注意事項に「約二ヶ月後に効果が切れて、同時に使用した本人の力が弱くなるという副作用があります」と書いてあった。

「……!」

 リーダーは突然倒.れた。と同時に、あたしは完全に動けるようになった。

「か、体が……動かない」

 あたしは、リーダーの手を掴んだ。

「も、杏江! 何する気? 止めて!」
「……これからはあんたが裁かれるの」
「ウチら親友じゃない! 今までのこと、許して!」
「許せないの。親友じゃないもん、あんた」

 リーダーは抵抗したが、だんだん力が弱くなっている。
 リーダーは、鍵を落とした。それには「牢.屋と雑用係の部屋」と書いてあった。

「奈央土さん……あの、皆を助けてあげてください。奈央土さんの後輩も待っているはずですから」
「おう、任せろ」

 あたしは奈央土さんにそう言った後、ケータイで警察に通.報した。

「ねえ、杏江、杏江!」

 リーダーはまた抵抗したけど、数分後、彼女は警察に捕.まった。

「離しなさい! ウチにそんな態度とったらどうなると思ってるの——?」

 ……邪悪な神は、正義に負けた。世界の頂点に君臨していた彼女は、立場が大きく変わった。犯..罪.者になった。
 あたしたちは、邪悪な神に勝ったのだ。
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