ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ

Re: 人類滅亡リモコン (もう少しで完結) ( No.280 )
日時: 2010/02/04 22:43
名前: 唄子 ◆pHAblsSAME (ID: PwsOoYFR)

第六十七話 二ヶ月後
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 ……あの日から、約二ヶ月経った。俺は現在、中三だ。
 杏江に会った時の事を、俺は忘れていない。あの日から数日後、俺達は空港まで、東京へ帰る杏江達を見送った。その三日後に俺はノア達に見送られて福岡に帰った。
 友一を取り戻した柔道部はもう一度賑やかになった、というより、なりすぎだ。……見学者が多くて、全く練習に集中出来ないのだが。

「僕を柔道部に入れてください!」
「私も——」

 今年の一年生はうる.さい。入りたいという気持ちはありがたいのだが、入りたいのなら静かにしろ。
 ここの柔道部員はDARK GODを倒.したということで有名になったから一年生が大量に見学に来た。だから柔道部は廃部の危機から救われた。また、美音子以外の女子がこの部活に入ることを希望しているらしい。

「一年生、静かにしろ!」

 俺に継ぐ部長は、友一だ。あいつはしっかりしているから、部長をやることになったのだ。……柔道部の中では、友一が雑用係をしていた時に杏江の姉に惚.れていたという噂が今でも流れているのだが。
 ……とりあえず、俺達に平和な日々は戻ってきたのだ。

 家に帰ると、すぐにテレビの電源を入れるのは俺の癖だ。

「臨時ニュースです。元DARK GODリーダーの秋野.死.刑.囚が逃走しました」

 ……逃走だと? 死.を恐れて逃げやがったか。
 ダークゴッド憲法の廃止によりリーダーは権力を無くし、最近、裁判で.死.刑判決が下された。
 また、人口惑星Xは第二の地球として人類が生息している。俺はそんなのに興味はないが。
 とにかく、俺達はDARK GODから地球の未来を取り戻したのだ。だが、これは杏江達もいなければ出来なかったことだ。
 杏江、ありがとう。香里のことも忘れることは出来ないのだが、どうやら、俺は杏江が好きだったらしい。俺はあいつが困っていた時は放っておくことが出来なかった。……俺は、もう、杏江を忘れることはないだろう。
 もう一度、杏江に会えることを願う。
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