ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Re: 人類滅亡リモコン (本編完結) ( No.290 )
- 日時: 2010/02/06 22:48
- 名前: 唄子 ◆pHAblsSAME (ID: PwsOoYFR)
第一話 不満
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俺がDARK GODに入ったのは十五歳の時だった。この時、既に中学は卒業していた。
中学の卒業式の後、親に黙って近所にあるDARK GODの基地のドアを開けた。その時、俺は親に不満があったから親に黙っていた。DARK GODでは、最後のリーダーである秋野 玲菜が八歳になるまで普通の会社のように採用試験が行われていた。俺は、それに合格したのだ。体力さえあれば誰でも合格できるような試験だった。
DARK GODに入った理由は、どんな最.低な奴が下っ端や幹部をやっているのか、この目で確かめたかったからだ。
合格した後は当時のリーダーに会いに、本部まで飛行機で行った。当時のリーダーは、玲菜の父親だった。
「よくここまで来てくれた。君が赤峰君だね」
「はい」
「君には、初めの仕事として雑用係の見張りをやってもらいたい」
「……かしこまりました」
俺の仕事は、見張りが中心だった。俺は足が速かったからである。雑用係はDARK GODに拉..致された奴がやるから、奴らはDARK GODに不満を持っている。だから見張りは雑用係が逃げ出した時に捕まえる必要があった。
俺はリーダーの部屋を出た後、幹部に雑用係の職場を案内された。俺が職場に入ると、沢山の雑用係が俺を見て怯.えていた。雑用係は、まるでDARK GODの奴.隷のようだ。
「そこ、早く夕食を作れ! 作業が遅い!」
俺の同僚が雑用係を怒鳴り散らした。俺はその声に驚いた。
雑用係は大人からガキまでいる。奴等の出身国も様々だ。同僚達は、相手が年上であろうと雑用係には容赦なく怒鳴り散らしていた。
俺は、そんな同僚達と同じ、黒い制服を着ていることを恥.じた。こんな奴等と俺を、同じようにされては困る。
……向こうでガキが泣いている。
「家に帰りたいよ——」
そのガキを押さえつける同僚が、そこにいた。
俺はDARK GODに不満を感じた、というより、入る前から感じていた。だからといって、俺が何か出来るというわけではないのだが。
ここに入った理由はただの好奇心だけであるから、別にそいつらの事を助ける必要はないだろう。
……と、その時は思っていた。とあるガキに会うまでは。
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