ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Re: 人類滅亡リモコン ( No.295 )
- 日時: 2010/02/08 22:40
- 名前: 唄子 ◆pHAblsSAME (ID: PwsOoYFR)
第二話 雑用係のガキ(前編)
_______________________
アメリア クーパー。当時九歳。そいつが俺の運命を変えた。
そいつは雑用係をやっていて、苦しい生活を強いられていた。そいつが泣いている所を俺は何回も見ていた。日本人にはトラウマがあるらしく、俺が近づくだけで泣きそうな目をする。リーダーが日本人だということを知っていたようだ。仕事を終わらせるのが他の奴よりも遅く、よく俺の同僚に怒られていた。
アメリアはある日、雑用係の生活に耐えられなくなり、夜中に自..殺.を図ろうとしていた。アメリアが包丁を持っているのを俺は見たのだ。
「何やってんだよ、お前」
俺がこう言うと、アメリアは怯.えながら俺を見た。
「もう、耐えられないの……楽になりたいの……」
アメリアは涙を流しながらこう言った。体が震えている。
「死..んだら楽になると誰が言いやがった? 死..んだらどうなるかも知らねえのに.死..にたいって言うのは変だと思うのだが」
「……。」
アメリアは暫く何も答えなかった。
「でも……貴方は私の見張りじゃない。これからも私にもっと仕事をさせるつもりでしょ。それが嫌なの」
確かに、敵に「.死..ぬな」って言われても説得力はない。
この時、分かったのだ。俺がDARK GODに入った真の目的を。雑用係を苦しめるために入ったのではなく、むしろ、そいつらをDARK GODから救うために来たのだ。
俺は、思い切ってこう言った。
「でもさ、死..ぬ以外にも方法あるじゃねえか、DARK GODから解放される方法」
「な……何?」
「今から俺の言う事を最後まで聞け。それだけだ」
だが、そう言ってもなかなか相手は信用しないものだ。
「でも、貴方は見張りよ……」
「俺を信じられねえのか? 別にいいのだが。ただ、二度とお前の親や友人に会えねえぞ」
アメリアは、目を丸くした。
「……貴方に従えばママや友達に会えるの?」
俺は黙って頷いた。会わせてやろうじゃないか、お前の両親に。
「今は本部にいる奴全員寝ている。今から決して音を立てるな。俺に着いて行くかどうかはお前の自由だ」
俺が行くと、アメリアは黙って着いてきた。
_______________________