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Re: 人類滅亡リモコン/悪の支配の下で ( No.299 )
日時: 2010/02/08 22:42
名前: 唄子 ◆pHAblsSAME (ID: PwsOoYFR)

第三話 雑用係のガキ(中編)
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 実は、ICカードが無いと、本部から出ることも入ることも出来ない。それを知らずに逃走に失敗し処刑された雑用係は少なくない。このセキュリティシステムは優秀で、監視カメラもいらない。このシステムはリーダーだけが解除することが出来るのだ。
 今はリーダーが寝ているので、セキュリティシステムは起動している。俺はポケットにICカードが入っていることを確認し、入口までアメリアを連れて行った。

「何、この機械……何だか怖いよ、お兄さん」
「ああ、全く恐れる必要はない」

 機械をカードで反応させ、入口のドアを開けた。それは自動ドアではなく、金.庫ぐらい厚いドアだ。オートロック式である。

「大丈夫だ、早くここから出ろ」

 アメリアは思い切って本部から出た。

「やっと出られた……でも、家はロサンゼルスなんだ」
「飛行機に乗れば大丈夫だ」

 ところが、空港でとんでもない災難が俺を待っていた。……空港に着くと、銃を持った警察官が近づいて来た。

「貴様、DARK GODの奴だろう。子供を連れて何してるんだ?」

 警察に疑われている。まずい。

「逮捕する。名前は?」
「あ、赤峰……真喜男」

 そして、俺は手錠をかけられた。
 ところが、アメリアがそれを許さなかった——。

「おじさん、止めて! お兄さんを捕まえないで!」

 警察官は、足を止めた。

「どうしたんだい、お嬢ちゃん」
「早く手錠を解いて! お兄さんはいい人だから!」

 アメリアは、必.死..に訴えた。
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